【金融用語を簡単にわかりやすく】イールドカーブのスティープ化、スティープニングとは?ベアスティープ、ブルスティープ、ツイストスティープの違い

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イールドカーブのスティープニングとは

イールドカーブがスティープニング(スティープ化)した、とはイールドカーブの傾きが急になる(傾きがきつくなる)ことを言う。すなわち長短金利差が拡大することである。イールドカーブとは、横軸に満期、縦軸に金利をとったグラフである。

スティープニングとは反対に、イールドカーブの傾きがゆるくなることをフラットニング(フラット化)という。

イールドカーブの傾きが急になるケースはざっくり以下の3種類に分かれる。

  1. 短期金利が上がり、長期金利も上がったが、長期金利が短期金利よりも大きく上昇した場合:ベアスティープニング
  2. 短期金利が下がり、長期金利も下がったが、短期金利が長期金利よりも大きく下落した場合:ブルスティープニング
  3. 短期金利は下がり、長期金利は上がった場合:ツイストスティープニング

ベアスティープニングとは

ベアスティープ(ベアスティープ化、ベアスティープニング)とは、イールドカーブ全体が上昇するなかでスティープ化することを言う。カーブ全体が上昇しつつ傾きが急になるということはつまり、長期金利が短期金利よりも大きく上昇した、ということである。カーブの左よりも右のほうが大きく上がると、カーブの傾きはきつくなる。

ベアとは弱気相場・下落相場のことを言う。名前の由来は熊が手を振り下ろすところから下落がイメージされた、ということのようだ。

ベアは下落の象徴なのになぜイールドカーブ全体が上昇する中でのスティープ化をベアスティープ化と呼ぶかというと、債券は金利と逆の動きをするからである。ベアの「下落」は金利ではなく債券価格の下落を指している。債券価格が下落する際、反対に金利は上昇するから、イールドカーブの水準は上昇する。全体的に債券価格が下落する中で、長期債のほうが短期債よりも下落が大きいとベアスティープニングとなる。「ベア」と言われたら「債券価格が下落、ということは金利は上昇」という状況をイメージする。

ブルスティープニングとは

ブルスティープ(ブルスティープ化、ブルスティープニング)とは、イールドカーブ全体が下落するなかでスティープ化することを言う。カーブ全体が下落しつつ傾きが急になるということはつまり、短期金利が長期金利よりも大きく下落した、ということである。カーブの左のほうが右よりも大きく下がると、カーブの傾きはきつくなる。

ブルとは強気相場・上昇相場のことを言う。名前の由来は牛がツノを振り上げるところから上昇がイメージされた、ということのようだ。

ブルは上昇の象徴なのになぜイールドカーブ全体が下落する中でのスティープ化をブルスティープ化と呼ぶかというと、ベアの場合と同様、債券は金利と逆の動きをするからである。ブルの「上昇」は金利ではなく債券価格の上昇を指している。債券価格が上昇する際、反対に金利は下落するから、イールドカーブの水準は下落する。全体的に債券価格が上昇する中で、短期債のほうが長期債よりも上昇が大きいとブルスティープニングとなる。「ブル」と言われたら「債券価格が上昇、ということは金利は下落」という状況をイメージする。

ツイストスティープニングとは

ツイストスティープ(ツイストスティープ化、ツイストスティープニング)とは、短期金利は下落する一方で、長期金利は上昇することでスティープ化することをいう。カーブの左は下がり、右が上がると、カーブの傾きはきつくなる。文字通り、長短金利差が拡大した状況である。

イメージとしてはイールドカーブ全体が反時計回りに回転した状況である。

ツイストとはねじれるという意味だが、イメージとしては回転してカーブの傾きが急になる状況、と覚えておけばいいだろう。

スティープナーとは

イールドカーブがスティープ化することで利益が得られる商品やポジションのことをスティープナーという。長短金利差の拡大で利益が得られるということなので、長期金利と短期金利の差分でクーポンが決まるような商品、あるいはポジションのことである。CMSスプレッドの受け・LIBORの払いなどはその典型例である。スティープ化するとCMSスプレッドの受けが増えるので利益になる。

参考文献

Interest Rate Swaps and Their Derivatives: A Practitioner’s Guide (Wiley Finance Book 510) (English Edition)

Interest Rate Derivatives Explained: Volume 1: Products and Markets (Financial Engineering Explained) (English Edition)

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