マーケットのスワップレートなどから作った各満期のディスカウントファクターについて、それらを満期方向にどう補間するのか、というのが問題になる。
スマイルのストライク方向の補間とは違って、理論的にこうなっていないと裁定など矛盾が生じる、というわけではない。しかしながら、満たしているのが望ましい条件というのはいくつかある。
⑴インプットのグリッドを全て通る。
これは当然だろう。しかし、債券市場で慣行として用いられているNelson-Siegelだとそうならない。
⑵グリッドの間をなめらかに補間する。
補間したときにガタガタした結果になるのは望ましくない。特に、補間結果のディスカウントファクターから求めた、フォワードLiborや瞬間的なフォワードレートがなめらかになってほしい。
⑶1つのグリッドが動いたとき、その影響が局所的である。
つまり、10Yのグリッドしか動いていないのに、それとは関係ない3Yと4Yの間の補間結果も変化するようでは困る。このとき、10Yのグリッドを補間に用いている両隣りの区間のみ、補間結果が変化する場合、グリッド変化の影響が局所的である、という。
有名なキュービックスプライン補間だと、これを満たさない。1つでもグリッドが変化すると、それらを通る三次多項式の係数が再計算されて、多項式自体が変化してしまうからである。
⑷グリッド間で振動しない。
つまり、グリッドが右肩上がりにプロットされていれば、その間の曲線の傾きは常に正であってほしい。もし途中で傾きが変わると、一度大きく上がってから下がる、というようにグリッド間で補間結果が波打ってしまうので、それは避けたい、ということである。
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