【金利の期間構造モデル】マイナス金利とハルホワイトモデル (Hull-Whiteモデル)

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簡単にわかりやすく解説

ハルホワイトモデル(Hull-Whiteモデル; HWモデル)は実務で最も一般的に使われている金利の期間構造モデルである。特に2016年あたりでマイナス金利が一般的になってからは、それまで他のより複雑なモデルを使っていた会社もHWモデルに移行する動きがあった。

まず前提知識として、金利の期間構造モデルは、バミューダンスワップションやリバースフロータースワップションなど、金利系エキゾチック商品の評価に使われる。

スワップ、キャップフロア、スワップションといったバニラ商品の評価では、金利の期間構造モデルは不要である。バニラオプションではSABRモデルなどのスマイルモデル(バニラモデルなどとも言う)のみを使う。HWモデルは金利の期間構造モデルなので、バニラ商品には一切使わずエキゾチック商品に使う。

次に、HWモデルの特徴を復習しておく。HWモデルではショートレートが正規分布に従う。ショートレートはざっくり短期金利と思っておけばよい。対数正規分布ではなく正規分布なので、ショートレートが普通にマイナスになり得る。(対数正規分布は、正規分布に従う確率変数を指数の肩に乗せた形をしており、かならず正でないといけない。)

実際にプライシングに使うのは割引債価格(ディスカウントファクター)だが、HWモデルでは割引債価格は対数正規分布に従う。イメージとしては、HWモデルにおける割引債価格は、ショートレートが指数の肩に乗った形をしており、ショートレートは正規分布に従うので、対数正規分布に従う、という感じだ。

HWモデルに移行した会社が出てきた一因として考えられるのは、もともと対数正規分布ベースのモデル(LMMなど)を使っていたが、マイナス金利になって使えなくなったのでHWモデルに移行した、というものである。LMMもShiftさせることで使えるのだが、なぜかHWモデルに移行する会社が当時見られた。

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