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金利モデルには2種類ある
金利モデルは2種類に分かれる。
- アセットモデル
- 期間構造モデル
金利の期間構造モデルとアセットモデル | Quant College
金利の期間構造モデルとアセットモデル ⑵ | Quant College
アセットモデルは、イールドカーブをバラバラに切って、期間ごとの金利を別々にモデリングするもの。典型例はSABRモデルで、金利の期間ごとに異なるSABRパラメーターを用いる。どの期間の金利も数式としては同じダイナミクスを用いるが、使うパラメーター値が期間ごとに異なる。これはイールドカーブ全体を一つにまとめてモデリングしていないことを示している。
アセットモデルはバニラオプションの評価に用いる。バニラオプションとは、基本的なコールオプションとプットオプションのことである。
これに対して、期間構造モデルは、イールドカーブ全体を一つにまとめてモデリングする。共通のパラメーター値から作成されたイールドカーブから、各期間の金利が事後的に計算される。
期間構造モデルはエキゾチックオプションの評価に用いる。エキゾチックオプションの典型例はバミューダンスワップションであり、バミューダンリバースフロータースワップション(リバフロ)、バミューダンCMSスプレッドスワップションなど様々な種類がある。
以下では期間構造モデルのほうに焦点を当てて解説する。
実務でよく使われている金利期間構造モデルは?
実務でよく見かける金利の期間構造モデルは、以下の通り。
- Hull-Whiteモデル(ワンファクター)
- Cheyetteモデル
- Shifted LIBORマーケットモデル
特にワンファクターHull-Whiteモデルが多い。
以前はLIBORマーケットモデルが多かったが、現在はHull-Whiteモデルの方が多い印象だ。
その他に見かけたことがあるのは、
- HaganのLGMモデル
- マルコフ関数モデル
- G2++モデル
などである。
実務であまり使われていない金利期間構造モデルは?
金利モデルの教科書には、多くの期間構造モデルが載っているが、そのほとんどは実務であまり使われていない、という現実がある。
時間がないのであれば、実務で使われていないモデルのページはさっさと読み飛ばせばいいだろう。
教科書によく載っているが、実務ではあまり使われていないモデルは、以下の通り。
- Ho-Leeモデル
- Vasicekモデル
- HJMモデル
- Black-Karasinskiモデル
- CIRモデル
Ho-LeeモデルとVasicekモデルは、シンプルすぎて実務での応用に耐えられない。
HJMモデルは必ずといっていいほど教科書に載っているが、これはモデルというよりフレームワークであり、ほとんどのショートレートモデルがこれに含まれてしまう。
HJMのフレームワークはある意味教養として学んでおいた方がいいが、それだけを学んでも、実務で使われている期間構造モデルを習得できるわけではない。
Black-Karasinskiモデルは、昔、主要通貨も高金利だった頃は、けっこう使われていたが、現在の低金利環境下では金利モデルとしてあまりフィットしない。マイナスに行かないという特徴があるので、現在ではクレジットモデルとして用いられていることがある。
CIRモデルもよく教科書に載っているが、金利モデルとして使うことはまずない。マイナス金利を扱えないからだ。
CIRモデルは実務では、Black-Karasinskiモデルと同様、クレジットモデルとして一般的によく使われている。ハザードレートは(条件付き)確率なので、むしろマイナスに行っては困るからだ。
参考文献
Stochastic Interest Rates (Mastering Mathematical Finance) Interest Rate Derivatives Explained: Volume 2: Term Structure and Volatility Modelling (Financial Engineering Explained) (English Edition)あわせて読みたい
LIBOR6MとLIBOR3Mは異なる原資産 | Quant College
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