【証券化/MBS】クリーンアップコールの意味とは?【住宅金融支援機構のRMBS】

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簡単に解説

クリーンアップ・コールとは、証券化商品の残存元本が当初元本の一定割合以下になると、満期を待たずして残存元本を全て償還できる権利(期限前償還権)のことである。証券化商品の中でもケースとして多いのは、RMBSのクリーンアップ・コールである。クリーンアップは、まとめて掃除するというようなニュアンスである。

RMBSにクリーンアップ・コールが付いている背景は以下の通り。

  • RMBSは住宅ローンを裏付け資産とするため満期が35年などと非常に長い
  • 満期が長い債券ほど、発行当初に設定されるクーポンは高くなることが多い
  • 時間が経過して残存満期が短くなってくると、同時期に市場に出回っている同じ残存満期の債券と比べて、発行当初に設定されたクーポンが相対的に高くなる
  • RMBSの発行体はクーポンを支払う側であり、市場実勢のクーポンに比べて高いクーポンは支払いたくない
  • そこで、残存満期がかなり短くなってきたら、残りの元本をまとめて早期償還する(クリーンアップ・コール)

RMBSの裏付け資産である住宅ローンは、定期的に借り手が元本を少しずつ返済していくので、RMBSの残存元本は時間経過とともに小さくなっていく(アモチゼーション/アモチ)。そこで、残存満期が短くなるころには残存元本が小さくなっているはずなので、残存元本が一定割合を下回ると、発行体が残存元本をまとめて早期償還(借金を満期前に返済)するかどうか選べるようになっている。

住宅金融支援機構のRMBSが多く出回っていると思うが、これはRMBSの残存元本が当初元本の10%以下になったら(住宅金融支援機構が)早期償還できる権利が付いている。

クリーンアップ・コールはあくまで早期償還の権利なので、かならず早期償還しないといけない義務ではない。実際、残存元本が小さくなったころ、市場実勢の金利が大きく上昇している場合、早期償還して新たに借り換えるのは不利であるため、クリーンアップ・コールを行使するのは合理的ではない。

しかし市場では通常、クリーンアップ・コールは行使される前提でプライシングがなされているようだ。このように、権利なので実際に行使されるかどうかはわからないはずなのに、権利行使される前提で市場参加者が考えている、というのは金融機関の発行する債券などでもよく見られることである。

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