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簡単に解説
バミューダンオプションとは、権利行使のチャンスが複数回あるオプションである。
権利行使のチャンスが1回しかないものをヨーロピアンオプションという。
権利行使の開始日と終了日だけが決まっており、その期間の営業日ならいつでも権利行使できるものをアメリカンオプションという。
これに対してバミューダンオプションは、権利行使のチャンスが例えば半年ごとなど、定期的に訪れるものが多い。いわばヨーロピアンとアメリカンの中間なのでバミューダンと名付けられている(ヨーロッパとアメリカの間にあるバミューダ諸島になぞらえて)。
注意としては、どこかの権利行使日で1回でも権利行使すれば、それ以降の権利行使はできない。「権利行使のチャンスが複数回ある」というだけであり、「権利行使を複数回できる」わけではない。
バミューダンオプションはスワップションの形になっていることが多い。スワップションはスワップのオプションであり、スワップは定期的にキャッシュフローが発生するので、定期的に権利行使するバミューダンと親和性が高い。よくあるのは、スワップの利払日の例えば20営業日前に権利行使できるものである。
バミューダンは金利系商品でよく出てくるほか、仕組債にも部品としてよく組み込まれている。マルチコーラブル債などである。マルチコーラブルとは、権利行使のチャンスが複数回あることを意味するので、バミューダンと同じことを指している類義語である。
バミューダンは権利行使のタイミングが複数あるが、権利行使は1回しかできないので、どこで権利行使するのが最適か判断しないといけない(最適停止問題)が、これを解析的な計算で行うのは困難である。そこでバミューダンのプライシング(時価評価)にはグリッド数値積分、PDE、モンテカルロなどを用いた数値解法に頼る必要がある。グリッド数値積分による方法はSALI Tree (Semi-Analytic Lattice Integration Tree) と呼ばれ、満期方向と状態変数方向にグリッドを置く位置を自由に決められるという柔軟性がある。主にHull-Whiteモデルを一般化したGaussian Short Rateワンファクターモデルや、Markov Functionalワンファクターモデルなどで用いられている(QuantLibにもGaussian1dモデルのPricingEngineとして実装されている)。モンテカルロは非効率な数値計算法だがバミューダンに使っている会社も実際にある。三項ツリーなどの古典的なツリー解法は今や一般的ではなく、大手金融機関ではほとんど用いられていないだろう。
参考文献
Interest Rate Swaps and Their Derivatives: A Practitioner’s Guide (Wiley Finance Book 510) (English Edition) Interest Rate Derivatives Explained: Volume 1: Products and Markets (Financial Engineering Explained) (English Edition) Interest Rate Derivatives Explained: Volume 2: Term Structure and Volatility Modelling (Financial Engineering Explained) (English Edition)あわせて読みたい
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