スワップションとは:ストライクとボラティリティ

ざっくり回答

スワップを原資産とするオプションのこと。
スワップとオプションをつなげて作られた用語である。

スワップションの権利行使をするとスワップを開始することができる。
スワップションはぺイヤーズとレシーバーズの2種類に分かれる。
ぺイヤーズスワップションは、スワップションの買い手から見て固定金利を支払うスワップを開始する権利である。
・逆に、レシーバーズスワップションは、スワップションの買い手から見て固定金利を受け取るスワップを開始する権利である。

スワップション満期におけるペイオフの決済方法には2種類ある。
・現物決済(=スワップ決済=フィジカルセトル)
・現金決済(=差金決済=キャッシュセトル)
現物決済の場合、権利行使すると実際にスワップ契約が開始される。
現金決済の場合、権利行使すると行使時点におけるスワップの時価を受け払いするだけで、スワップ契約は開始されない。

原資産となるスワップのペイオフは、プレーンバニラな変動/固定の金利スワップが多い。
しかし他にも、エキゾチックなスワップを原資産とするエキゾチックスワップションが数多く存在する。エキゾチックスワップションの例としては、リバースフロータースワップション、CMSスプレッドスワップション、PRDCスワップションなどがある。これらエキゾチックなものは仕組債や仕組預金を作る際にその部品として使われる。

権利行使についても、満期で一回だけ行使可能なヨーロピアン型が多いが、他にも、金利交換のタイミングでならいつでも行使可能なバミューダン型もある。一方で、毎営業日いつでも行使可能なアメリカン型はスワップションの場合はまずない。

補足

スワップションのストライクは何を意味している?

ストライクは行使レートのことで、ざっくりとしたイメージでは損益分岐点のようなものである。オプションであれば必ずストライクというものが存在する。ではスワップションのストライクとは、何を意味しているのか。

スワップションは権利行使するとスワップが発生する(現物決済の場合に限る。現金決済だと発生しないがJPYでは現金決済のケースは少ない)。ストライクは、この、権利行使で発生するスワップの固定レートのことである。

権利行使時に市場で観測されるスワップレートと比べて、
・固定レート(=ストライク)の方が高ければ、固定レートを受けるサイドにとってもうかる。なぜなら、市場実勢のスワップレートより高い固定レートを受け取れてしまうから。
・固定レート(=ストライク)の方が低ければ、固定レートを支払うサイドにとってもうかる。なぜなら、市場実勢のスワップレートより低い固定レートしか払わずに済むから。

このように、通貨オプションにとっての為替レートや、株式オプションにとっての株価に対応するものは、スワップションでは、権利行使時に市場で観測されるスワップレートである。それとストライクを比べて権利行使が判断される。

ボラティリティは何のボラティリティを表している?

上記の通り、スワップションにおいて原資産価格に対応するものは、権利行使時に市場で観測されるスワップレートである。この将来のスワップレートの期待値は、今日観測されるイールドカーブから求めることができ、これをフォワードスワップレートという。

市場で観測されるスワップションボラティリティは、非常にざっくり言うと、権利行使時に市場で観測されるスワップレートがどれくらい変動し得るか、を表している。(このような説明は、厳密には少しニュアンスが異なる。むしろ、証券会社のトレーダーが求めた市場価格から逆算されるボラティリティ、といった方がいいだろう。)

スワップションやキャップ/フロアなど金利オプションのボラティリティの表示形式には大きく3種類ある。
・Normalボラティリティ
・Shifted Blackボラティリティ
・Blackボラティリティ
しかしBlackボラティリティはマイナス金利に対応できないためJPYやEURでは現在ほぼ使われることがなくなっている。

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