リバースフロータースワップションのキャリブレーション対象 ⑵

続きである。

リバフロスワップションのキャリブレーション対象は、キャプフロアのみではダメだし、スワップションのみでもダメである。
クーポン部分のオプションは原資産がLiborなのでキャップレットとフロアレットのスマイルに合わせればいい。
それと同時に、リバフロスワップ全体にも早期解約というオプションが付いており、この原資産はリバフロスワップなので、理想的にはリバフロスワップションのスマイルに合わせないといけない。
しかしながら、市場でクォートされているのはあくまでバニラスワップションのみであるため、リバフロスワップションの代わりにバニラスワップションにフィッテングさせることになる。
したがって、キャプフロアとスワップションの両方にキャリブレーションする必要がある。
 
ここで、参照するキャップレットフロアレットの満期は、オプションの付いているクーポンのフィキシング日に対応するものである。
一方、参照するスワップションの満期は、リバフロスワップの早期解約の行使決定日である。
 
ここで仮に、まだフィキシングされていないオプション付きのクーポンの数と、早期解約可能日の数が同じだとすると、1つの満期に対して、クーポンのストライクと、スワップのストライクの市場価格を参照して、それらにフィッテングさせないといけない。
クーポンに上限と下限の両方が付いているとすると、クーポン1つに対してストライクが2つあるので、スワップと合わせて3つある。
したがって、理屈上は、各満期に対して、モデルのフリーパラメーターが3つあれば、それらパラメーターを動かすことで市場価格にフィッテングできることになる。
 
問題となるのは、クーポンのストライクは自明だが、リバフロスワップのストライクは自明ではないということだ。
これは行使境界といわれるもので、ヨーロピアンであれば明らかだが、バミューダンになると明らかではなくなる。
なぜなら、ヨーロピアンの場合は継続価値がゼロなので、行使価値のストライクはゼロだが、バミューダンの場合は、継続価値が将来の行使価値と継続価値に依存するため、それを求めるには、満期からバックワードに繰り返し計算する必要があるからである。

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