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はじめに
TIBORには2種類あり、きちんと区別しないといけない。ZTIBORとDTIBORである。
ZTIBOR
ZTIBORはユーロ円TIBORであり、オフショア市場、すなわち日本国外目線でレートが決まっているものである。
デイカウントコンベンションはLIBORと同じA/360となっている。
デリバティブのインターバンク市場はJPYの取引であっても、邦銀ではなく外銀が主要プレイヤーであるため、ZTIBORの方が流動性があり、LIBOR-TIBORベーシススワップは、何も言われなければ普通はZTIBORとのベーシススワップである。
ZTIBORはDTIBORと比べると、LIBORとある程度似たような動きをするが、小さな市場変化に応じて動いているかというと、そういうようにも見えないため、本当に市場実勢を反映しているのかには疑問が残る。
DTIBOR
DTIBORは日本円TIBORであり、オンショア市場、すなわち日本国内目線で決まっているものである。
デイカウントコンベンションはA/365となっている。
DTIBORは365日ベースなので、360日ベースのZTIBORより高くなる傾向にある。
円建てのローンなどキャッシュ商品(つまりデリバティブ以外の商品)ではZTIBORではなくDTIBORが一般的となっている。
DTIBORはZTIBORやLIBORとは全く異なる動きをしており、というか、ほとんど動いていない。これで市場実勢を反映しているといわれても信用しがたいだろう。ZTIBORもDTIBORもパネルバンク(レートを提出している銀行)はほぼ同じ顔ぶれだが、DTIBORはほとんど動きがない。
イールドカーブ生成
フォワードレート計算に用いるイールドカーブも2つのTIBORで別々に作らないといけない。
ZTIBORカーブはLIBORとのベーシススワップから作る。
DTIBORカーブはLIBORとのベーシススワップか、または、ZTIBORとのベーシススワップから作ることになる。DTIBORは国内の顧客(インターバンクではなく)向けでしか使わないだろうからLIBORとのベーシスよりZTIBORとのベーシスの方が普通だろう。
自行TIBOR
TIBORにはこの2つに加えて、三井住友TIBORや、みずほTIBORなど、各邦銀が独自に設定しているTIBORがある。銀行内では自行TIBORや、Our TIBORと呼ぶらしい。これらも水準が微妙に異なるのできちんと区別しないといけない。
LIOBR廃止後
LIBORはなくなるが、TIBORは生き残る。ただし、ZTIBORは全銀協の方針で将来的に廃止されることが決まっており、DTIBORに一本化される。
無担保取引をLIBORディスカウントで対応している邦銀がけっこうあると思われるが、これをZTIBORディスカウントに切り替えたとしても、今度はZTIBORが廃止されてしまうので注意が必要だ。
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