リバースフロータースワップションのキャリブレーション対象

リバースフロータースワップションは日本ではリバフロと呼ばれている。クーポンにキャップやフロアが付いているため、クーポン部分にもオプショナリティがある。スワップ全体にもバミューダンコーラブルが付いているため、こちらにもオプショナリティがある。

重要なのは、クーポンのオプショナリティとスワップのオプショナリティは、通貨が同じでも原資産が異なることである。
 
クーポンの方は、円Libor6Mを参照するのであれば、期間6Mの金利が原資産である。
 
しかし、スワップの方はそう簡単な話ではない。原資産スワップはリバースフロータースワップであり、バニラスワップではない。仮に元本やスプレッドなどが全て期間によらずフラットだったとしても、クーポンがLiborと逆に動くリバフロクーポンだからだ。市場価格が観測できるバニラスワップは、クーポンが固定レートのものである。したがって、スワップ部分のためのキャリブレーションは、リバフロスワップに対するオプションを、バニラスワップに対するオプションで近似する必要がある。
 
有名なのはバスケットキャリブレーションというもので、これはリバースフロータースワップションをバニラスワップションのポートフォリオで近似するものだ。この方法はシングルファクターの期間構造モデルにしか適用できない。NPV、ファクターに関するデルタ、ファクターに関するガンマが、リバフロと一致するように、バニラスワップの満期、元本、ストライクを決める、というものだ。動かすパラメーターがこれら3つで、式が3つあるので、ほぼ一致させることができる。

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