EURのテナースプレッドのコンベンション

EURのテナースプレッドのクォートは独特だ。2-swapというやつで、固定レートの差分でクォートされる。

つまり、3-6スプレッドは、Euribor3Mを参照するスワップと、Euribor6Mを参照するスワップの固定レートの差分でクォートされる。
 
EURの標準テナーは6Mであるため、3Mカーブはオッドテナーである。この3Mカーブを作るために、3-6スプレッドを用いる。Euribor6Mスワップの固定レートから3-6スプレッドを差し引くと、Euribor3Mスワップの固定レートが出る。あとは、Euribor3Mスワップレートから通常のBootstrapで3MごとにDFを逆算すればよい。
 
このようなコンベンションになっているのは、EURなどの欧州通貨では、標準テナーの6Mインデックスを参照するスワップのみならず、オッドテナーのスワップもそれなりに流動性があることが背景にある。実際に情報端末をたたいてみると、オッドテナーのインデックスを参照するスワップレート自体がたくさんクォートされていることがわかる。オッドテナーインデックスのスワップレート自体に需要があり、異なるテナーのインデックスを参照するスワップレートの間を行ったり来たりしやすい形で、テナーベーシスがクォートされている。
 
なので、オッドテナーのカーブを生成するには、テナーベーシスを使う方法以外にも、オッドテナーのスワップレートのクォートをそのまま使うという方法もある。

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