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復習:キャップ/フロアとは
キャップションとフロアションの話をする前に、準備としてキャップとフロアについて復習しておきたい。
ざっくり言うと、
- キャップは金利のコールオプションであり、将来の金利が行使レートより高ければ、将来金利と行使レートの差分がもらえる。
- フロアは金利のプットオプションであり、将来の金利が行使レートより低ければ、行使レートと将来金利の差分がもらえる。
ここで注意点として、キャップやフロアは金利オプションのセット販売である。つまり、満期の異なる複数の金利オプションをひとまとめにして販売される。
例えば6カ月ごとに満期が来るオプション20個のセット販売がキャップやフロアである(キャップやフロアの満期が10年だと、6カ月ごとで10年なのでオプション満期が20個ある。しかし実際には初回の1個は満期が到来済みなので19個である)。
ひとつひとつの満期の金利オプションのことをキャプレットやフロアレットという。
- 満期の異なる複数のキャップレットを集めたものがキャップ
- 満期の異なる複数のフロアレットを集めたものがフロア
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キャップション/フロアションとは
キャップションやフロアションは、将来にキャップやフロアを開始するオプションのことである。
- キャップションは事前に決められたプレミアムと行使レートで、将来にキャップを開始するオプション
- フロアションは事前に決められたプレミアムと行使レートで、将来にフロアを開始するオプション
スワップションとの比較で理解するのが良い。
- スワップションは、事前に決められた固定レートで、将来にスワップを開始するオプション
- キャップションはスワップションのキャップ版
- フロアションはスワップションのフロア版
というわけである。
キャップションの例
原資産であるキャップの取引条件:
・期間10年
・参照金利はDTIBOR6M
・付利期間6カ月
・キャップレットの行使レートは0.3%
・キャップ全体のプレミアムは100bp (=1%)
キャップションの取引条件:
・1年後に上記条件のキャップを開始するオプション
・キャップションのプレミアムは10bp (=0.1%)
キャップション自体のオプション満期は1年で、1年後に満期10年のキャップを開始できるオプションである。オプションなので、キャップションを買うにはプレミアムを売り手に支払う必要があり、それが元本に対して10bpである。
もしキャップションを権利行使して、1年後にキャップを開始した場合、権利行使時点(正確には権利行使日の2営業日後など)でプレミアムを売り手に支払う必要がある。開始できるキャップのプレミアム水準は、キャップションの取引条件として事前に決められていることに注意。今の例では100bpである。したがってキャップションを行使すると100bpを支払って、行使レート0.3%のキャップをそこから開始することになる。
キャップションの買い手からすれば、
・キャップションを買うのに10bpの支払いが必要
・キャップションを権利行使したら追加で100bpの支払いが必要
ということになる。
しかしキャップのプレミアムが100bpというのは、オプションを買う時点で決められた水準であり、その後の金利変動によって、キャップションの権利行使時点ではキャップのプレミアム水準も100bpから変動しているはずである。
仮に130bpに上昇していたとすると、
権利行使でキャップ開始する際には100bpしか支払わなくてよいので、
130 – 100 = 30bp
だけ得をする。
したがって、キャップションのプレミアムとして10bpを支払っていても、
30 – 10 = 20bp
だけ得をすることになる。
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