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カナダもターム物RFRの使用を制限するも銀行間取引での使用は検討中
カナダでもターム物RFRを導入中だが、ターム物RFRを使用する取引は限定する。銀行が対顧デリバのヘッジにターム物CORRAスワップを使用できるかは検討中であり未定。
Canada approves term Corra rate – Risk.net
カナダで一般的なIBORはLIBORではなくCDOR (Canadian Dollar Offer Rate) である。他国と同様、IBORからRFRへの移行を進めている。カナダのRFRはCanadian Overnight Repo Rate Average (CORRA) である。
CORRAを参照するスワップもSOFRなどと同様、変動サイドは後決め複利を用いるので、デリバティブのエンドユーザーにとっては使いにくい。そこでターム物CORRAの開発・導入準備が行われている。ターム物CORRAの算出元となる実取引は金利先物である。
当局としては、ターム物CORRAが普及することによりLIBORと同じ問題が生じないように、ターム物CORRAの使用は制限する。
使用が認められるケースは下記の通り。
- ローン
- トレードファイナンス取引
- エンドユーザーがターム物CORRAローンのヘッジに用いる金利スワップ
一方、使用が認められないケースは下記の通り。
- 変動利付債
- 証券化商品
- 仕組債
- 使用が許可されていないデリバティブ(通貨スワップなど)
使用が考えられるケースとして、
銀行が対顧デリバのヘッジにターム物CORRAスワップを使用するケース
が想定されているが、これを許可するかは検討中のようだ。
米国では対顧デリバのヘッジにもターム物SOFRが原則使えないことから、後決め複利SOFRとターム物SOFRの間のベーシスリスクが問題になっている。
ターム物RFRスワップを顧客と取引してしまうと、ターム物RFRの変動を後決め複利RFRでしかヘッジできないため、ベーシスリスクを抱えてしまうのを回避するために、銀行が顧客とターム物RFRスワップを取引するのを避けるようになることがあり得る。そうすると顧客はターム物RFR参照のローンなどを持っていても金利リスクをヘッジできないことになる。
カナダでは米国での上記のような問題にも言及されており、使用を許可するかどうかは今後検討を進めるようだ。
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