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TORFとTIBOR
TORFは、翌日物の金利であるTONAの期間平均を取ったような金利である。
そしてTONAは、無担保コール取引の翌日物金利を平均したような金利となっている。
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TIBORは東京の銀行間取引で資金を貸し借りする際の金利である。
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実際にはTIBORには2種類あり、
東京市場で貸し借りする金利であるDTIBORと、
海外市場で貸し借りする金利であるZTIBORがある。
以下の過去記事を参照のこと。
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TORFとTIBORの共通点3選
- ターム物レートである
- 前決めレートである
- メインの用途が、デリバティブというよりはキャッシュ商品(債券やローン)である
ターム物レートとは、翌日物レート以外のことであり、3カ月や6カ月など、1営業日よりも長い期間の金利である。TORFもTIBORもターム物レートであり、複数のターム(資金貸し借りの期間)ごとに異なるレートが呈示される。
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前決めレートとは、金利の計算期間が始まる前に適用金利が決定される(Fixingされる)レートである。TORFもTIBORも前決めレートである。一方で、OISの変動金利サイドではRFRを複利で転がした後決めレートが採用されている。
TORFもTIBORも、主な用途として、金利スワップなどのデリバティブ商品ではなく、債券やローンなどのキャッシュ商品(現物商品)が想定されている。これらキャッシュ商品のうち変動金利のものについて、参照する金利指標がTORFだったりTIBORだったりするわけである。
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TORFとTIBORの違い3選
- レートの公表主体の違い
- 算出の基礎となる取引の違い
- 銀行の信用リスクが入っているか否かの違い
1.公表主体の違い
TORFはQUICKベンチマークス社が公表している。
TIBORは全国銀行協会(全銀協)が公表している。
2.算出の基礎となる取引の違い
TORFは翌日物金利スワップ(OIS)取引のレートをベースに算出されている。
TIBORは銀行間の資金貸借取引のレート(リファレンスバンクとして指定されている金融機関が提出したレート)をベースに算出されている。
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TORFはデリバティブ取引のレートがもとになっているが、TIBORはデリバティブ取引ではなく現物取引をベースに計算されている、という違いがある。
3.銀行の信用リスクが入っているか否か
TORFには銀行の信用リスクが入っていない。
TIBORには銀行の信用リスクが入っている。
TORFは無担保コール翌日物の市場金利がもとになっている。
翌日物レートなので、1営業日のあいだ銀行間で資金を貸し借りするので信用リスクはほとんど入っていない。信用リスクとは貸し倒れリスクのことである。
TIBORはターム物レートであり、6Mや3Mなど、1営業日に比べればかなり長い期間、お金を貸し借りするので、銀行の信用リスクが入っている。借り手の銀行が6カ月や3か月の間に倒産するとお金が返ってこない。このため、TIBORには銀行の信用スプレッドが上乗せされていると理解するのが自然だ。
したがって、同じ期間、例えば6Mで比べれば、TORF6MよりTIBOR6Mの方が高い傾向になるはずだ。TORFには銀行の信用リスクが上乗せされていないが、TIBORには上乗せされている、と考えられるからである。しかしこのような大小関係は一般論としてそうなるだろう、というだけの話であり、必ず絶対的にそうなるとは限らない。
参考文献
スワップ取引のすべて(第5版) 実践デリバティブ: Excelでデータ分析 Interest Rate Swaps and Their Derivatives: A Practitioner’s Guide (Wiley Finance Book 510) (English Edition) Interest Rate Derivatives Explained: Volume 1: Products and Markets (Financial Engineering Explained) (English Edition)あわせて読みたい
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