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金利マーケット以外のRFR移行
金利スワップや金利オプションのマーケットではLIBORからRFRへの移行が着実に進みつつあるが、金利以外のマーケットはどうだろうか。
為替、エクイティ、クレジットなど、金利以外のマーケットでもLIBOR廃止の影響はある。金利は原資産にもなり得ることに加え、将来キャッシュフローを割り引くのにも使われるのが特徴である。
例えば為替であれば、フォワード為替レートを求めるには通貨ペアの各ディスカウントカーブをインプットとして与える必要がある。為替オプションのインプライドボラティリティ計算も、インプットとして各通貨のディスカウントカーブが必要だ。
エクイティのフォワードとオプションも同様である。
クレジットについては、CDSスプレッドを求める際にもディスカウントカーブをインプットする必要がある。
ディスカウントカーブとは、将来キャッシュフローの割引に使うイールドカーブのことであり、金利マーケットでは以前からOISカーブが割引に使われていたが、金利以外のマーケットではいまだにLIBORカーブが使われていることもある。金利以外のマーケットでは、割引金利(ディスカウントカーブ)として何を使うかについてあまりセンシティブではないこともあり、従来の慣行であったLIBORカーブによる割引のままになっていたりする。
しかし2021年末以降はLIBORレートが観測できなくなるということで、LIBORを参照するスワップレートも観測できなくなるだろう。するとLIBORスワップレートなどから構築するLIBORカーブは作れなくなる。このため、金利以外のマーケットでも、将来キャッシュフローの割引に用いるディスカウントカーブをLIBORからRFR(OIS)に移行する必要がある。
ここでディスカウントカーブの変更には2種類あることに注意したい。
- マーケットレートを呈示(クォート)する際に用いるディスカウントカーブの変更
- 実際の取引を時価評価する際に用いるディスカウントカーブの変更
本記事で問題としているのは1つめのことである。マーケットレートを求める際の暗黙の了解(コンベンション)としてLIBORカーブが用いられている場合、これをRFR(OIS)カーブに移行する必要がある。
2つめについては、既に多くの商品で、担保有りの取引であればRFR(OIS)カーブによる割引が行われているため、こちらの変更はあまり必要とはならないと思われる。
実際、CDSスプレッドのマーケットクォートなどでは既にRFR(OIS)カーブに移行する動きがみられる。クレジットのみならず、為替フォワード、通貨オプション、エクイティフォワード、エクイティオプション、それ以外にもコモディティやインフレーションのマーケットでも同様の動きが出てくるだろう。
参考文献
Interest Rate Swaps and Their Derivatives: A Practitioner’s Guide (Wiley Finance Book 510) (English Edition) Interest Rate Derivatives Explained: Volume 1: Products and Markets (Financial Engineering Explained) (English Edition) Interest Rate Derivatives Explained: Volume 2: Term Structure and Volatility Modelling (Financial Engineering Explained) (English Edition)あわせて読みたい
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