【LIBOR廃止・RFR移行】EURIBORとLIBORの違い

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EURIBORとLIBORの違いは、算出元の金利市場の地域、通貨のラインナップである。EURIBORはユーロ圏の銀行間金利だが、LIBORは英国ロンドンの銀行間金利。そしてEURIBORは通貨がEURしかないが、LIBORはUSD, GBP, JPY, CHF, EURがある。EURIBORとEUR LIBORは違うものであることに注意。

EURIBORとLIBORはどちらも、銀行間の資金取引の市場実勢を示す金利指標の仲間（総称してIBORとよばれる）
【LIBOR廃止・RFR移行】IBORとは？ IBORの読み方は？ | Quant College
EURIBORはユーロ圏の銀行間金利、LIBORは英国ロンドンの銀行間金利
EURIBORには通貨がEURの金利しかないが、LIBORはUSD, GBP, JPY, CHF, EURの５通貨があり、通貨ごとに異なる金利が提示されている
運営機関は、EURIBORはEMMI（欧州マネーマーケット協会）、LIBORはIBA (Ice Benchmark Administration)

要するに、EURIBORはLIBORのユーロ圏におけるローカル版であり、JPYで言うところのTIBORに対応するものである。

LIBORはロンドンの銀行間で資金を貸し借りするときのレートを表す。実際にはオファーのレートなので、資金を貸すサイドの銀行が提示するレートである。
EURIBORも同様に貸し手が提示するレートだが、違うのは、ユーロ圏の銀行間のレート、という点であり、通貨はEURのみである。

EUR建てのLIBORも存在するため、EURの金利指標としては、EURIBORとLIBORの二種類がある。しかしEUR建ての金利スワップで一般的に使用されるのはEURIBORの方であり、EUR LIBORはほとんど使われない。

今般のLIBOR廃止ではEURも例外ではないのだが、EURの金利指標としてはもともとEURIBORをみんな使っており、LIBORはあまり使われていなかった。そしてEURIBORは廃止されず、存続・継続されるので、他の通貨に比べると影響は大きくないのかもしれない。

しかしEURの翌日物金利で以前から使われていたのはEONIAなのだが、EONIAは21年末に廃止され、EURのRFRであるESTRに置き換わることとなった。このため、IBORについてはEURIBORが存続するのだが、翌日物金利についてはEONIAからESTRへの移行が必要となっている。さらに、今後はEUR建ての金利スワップの金利指標としては、EURIBORではなくESTRを使うケースが増えてくると思われる。