通貨スワップと為替予約の違い【わかりやすい解説】

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参考文献

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結論

通貨スワップと為替予約の違いは、ざっくり以下のような理解でいいだろう。

  • 通貨スワップは、満期まで定期的に異通貨金利(円金利とドル金利など)を交換する
  • 為替予約は、満期までの定期的な異通貨金利の交換がない

通貨スワップと為替予約の違い

通貨スワップと為替予約のおおまかな違いは以下の通り。

  • 通貨スワップはたいてい1年以上の長い期間定期的に異通貨間の金利を交換する
  • 為替予約はたいてい1年未満の短期商品で、異通貨の金額を交換するのは満期の1回きり

通貨スワップとは

通貨スワップはスワップ取引の一種であり、以下のような取引である。

  • 契約開始時に異通貨間で元本を交換する
  • 契約期間中、定期的に異通貨間で金利を交換する
  • 契約終了時に異通貨間で元本を交換する
    (元本交換の受け払いのサイドは契約開始時とは逆方向)

異通貨間で元本を交換するというのは、ドル元本を受けて円元本を払う、というようなもので、これが為替予約に似ている、というわけである。実際、契約終了時(=満期時)に行う異通貨間の元本交換はまさしく為替予約である。

為替予約とは

為替予約は為替フォワードとも呼ばれる。
為替予約はフォワード取引の一種であり、以下のような取引である。

・契約終了時に異通貨間で元本を交換する

満期日にドル元本を受けて円元本を払う、というような取引である。

まとめ

通貨スワップと為替予約の違いは、だいたい次のような感じである。

  • たいてい通貨スワップは1年超の長期取引だが、為替予約は1年以内の短期取引が多い
  • 通貨スワップは契約開始時にも元本交換するが、為替予約での元本交換は満期時の1回だけ
  • 通貨スワップは契約期間中、定期的に金利を交換するが、為替予約にはそのような金利交換は行われず、期中のキャッシュフローは一切ない
  • 通貨スワップは受けと払いのどちらかのサイドが変動金利になっていることも多く、その場合は金利変動リスクがあるため金利商品としての側面もあるが、為替予約は満期時の為替レートでキャッシュフローが決まるため純粋な為替商品である

為替予約と為替スワップの違いは?

まず、為替スワップとは何かを理解する必要がある。
為替スワップは以下のように分解できる。

為替スワップ=為替スポット+為替予約

これは言い換えると、為替スワップとは例えば、

  1. 2営業日後(=スポット)に円を貸してドルを借りる(為替スポット取引)
  2. 6ヶ月後(=満期)に円を返してもらってドルを返済する(為替予約取引)

というようなセット販売の取引である。為替スポット取引と、その売り買い反対サイドの為替予約取引を行うのが、為替スワップ取引である。

為替予約取引は、為替フォワード取引や先物為替取引などとも言うので、頭の中がごちゃごちゃにならないようにしたい。

通貨スワップと為替スワップの違いは?

通貨スワップのキャッシュフローは以下のように分解できる。

通貨スワップ=為替スワップ+異通貨間の金利スワップ

例えば次のような感じである。

  1. 2営業日後(=スポット)に円を貸してドルを借りる(為替スポット取引)
  2. 3ヶ月ごとに2回、ドルの変動金利と、円の変動金利足すスプレッドを交換する(異通貨の金利スワップ取引)
  3. 6ヶ月後(=満期)に円を返してもらってドルを返済する(為替フォワード取引)

1と3の組み合わせが為替スワップに該当する。

結局のところ、通貨スワップとは為替スワップに2通貨間の金利スワップを加えたものである。為替スワップと金利スワップの組み合わせ商品と思っておけばよい。

参考文献

スワップ取引のすべて(第5版)

EXCELでわかるLIBORディスカウントとOISディスカウント(CD-ROM付き)

Interest Rate Swaps and Their Derivatives: A Practitioner’s Guide (Wiley Finance Book 510) (English Edition)

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