通貨オプションとクーポンスワップの違い

Google検索すると、通貨オプションの関連ワードとして、クーポンスワップとの違い、というものが出てくる。

このあたりの用語がごちゃごちゃになっている人がいるようだ。
 
通貨オプションは、満期の為替レートの水準に応じて受払金額が決まる商品である。
ただしオプションなので、権利であって義務ではない。
つまり、オプションの買い手は自分に不利な場合は権利行使しないでよくて、自分に有利な場合だけ権利行使する。
 
似た特徴を持つ為替商品として為替予約があるが、
これは義務であって権利ではない。
自分にとって不利なレートであってもキャッシュを交換しなければならない。
 
 
一方、クーポンスワップは、異なる通貨の固定レートの金利を一定期間交換する商品である。
通貨スワップの具体例として扱うことが多いが、
通貨スワップは通常、当初と満期に元本交換がある。
しかしクーポンスワップと呼ぶ場合は、元本交換がないものを指す。
このため、異通貨の固定金利を交換するだけである。
 
固定金利なので、キャッシュフローの実額があらかじめ完全に決まっている。
しかし、支払うのは円でも、受け取るのは外貨になっている、
もしくはその逆、というわけである。
 
これはつまり、金額の決まっている2通貨を交換し続ける、ということなので、
一回ごとの交換を見れば、為替予約と同じである。
あらかじめ外貨の為替レートを固定化していることになる。
クーポンスワップは、予約レートが同じ為替予約を繰り返し行う商品であり、為替予約のポートフォリオと考えることもできる。
 
 
このように、通貨オプションとクーポンスワップは、どちらも為替に賭ける商品ではあるものの、次のような違いがある。
 
・通貨オプションは義務ではなくて権利であり、決済は一回限りのもの
 
・クーポンスワップは為替予約のポートフォリオなので、権利ではなくて義務であり、何回も繰り返し決済するもの

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