為替予約と為替フォワードの違い

為替予約と為替フォワードの違い

結論:違いはない。同じものを指している。

全体的な傾向として、デリバティブのエンドユーザー(金融機関の営業担当者や、事業会社の担当者など)は為替予約と言うことが多く、デリバティブのプロ(金融機関のマーケット部門の人など)は為替フォワード (FX Forwards) と呼ぶことが多い。

為替予約とは、将来の為替レートを現在時点で固定化する取引であり、為替リスクのヘッジに用いられる。この為替予約のことを為替フォワードと呼ぶ人がいる、あるいは為替フォワードのことを為替予約と呼ぶ人がいる、ということである。

為替予約とは、
・ある満期日において、
・金融機関が、ある通貨の固定金額を支払い、
・事業会社などの顧客が、異なる通貨の固定金額を支払う、
というデリバティブ取引である。
例えば120万円と1万ドルを交換するのであれば、予約レートは120円/ドルとなる。

為替フォワード取引と為替フォワードレートの違い

為替フォワード取引のことと、為替フォワードレートのことを混同する人もいるので注意。

為替フォワードという場合はたいてい、為替フォワード取引のことを指す。デリバティブ取引の契約それ自体を指している。これはつまり為替予約取引のことである。

これに対して、為替フォワードレートは、為替のフォワードレートのことであり、通貨間の交換レートを指している。為替フォワードの取引を指しているのではない。

為替のフォワードレートは、為替フォワード取引における予約レートの市場実勢である。「いま為替フォワード取引を行うなら、目安としてこれくらいの予約レートになります」という予約レートが、為替フォワードレートである。

為替フォワードレートは、フォワード為替レートとも呼ぶ。

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