ディールコンティンジェントヘッジ (Deal-Contingent Hedge; DCH) とは:M&Aが成功したら発生する為替フォワード(為替予約)や金利スワップ

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ざっくり解説

ディールコンティンジェントヘッジとは、M&Aなどの大型契約が成約に至った場合に限って発生するデリバティブ取引を用いて、為替リスクや金利リスクをヘッジすることである。Deal-Contingent HedgeなのでDCHと略されることが多い。

ここで言うDealとはたいてい、クロスボーダーのM&A(合併・買収)か、入札方式のプロジェクトファイナンスの案件を指す。
・クロスボーダーM&Aの場合は為替フォワード(=為替予約)を用いた為替リスクヘッジ、
・プロジェクトファイナンスの場合は金利スワップを用いた金利リスクヘッジ、
の場合が多い。

ディールコンティンジェントヘッジを行う動機としては、例えば
・M&Aが成約に至ったら外貨キャッシュが必要になる
・よって、M&Aが成約に至った場合に限り、外貨の調達レートを固定化したい
・しかし、M&Aが成約に至らなかった場合は、外貨が不要なのでヘッジ取引を追加コストなしでキャンセルしたい
というような感じだろう。

M&Aが成功するかどうか不確実性がある場合に、成功した場合に限って発生するヘッジ取引をしたい、というわけだ。

M&Aの場合は為替フォワードが多い。また、為替フォワードの満期が特定の日に定められておらず、あらかじめ指定された期間内であれば、どこでも権利行使できるようになっている場合もある。すなわち為替フォワードの満期を選択できることになる。この、選択できる満期というのは、M&Aの成約時点に合わせて権利行使することになるだろう。

他にも、入札方式のプロジェクトファイナンスが落札に至った場合に限り発生する金利スワップや通貨スワップがある。

将来時点にスタートするスワップを行いたければ、フォワードスワップを使えばよいが、落札に至らなかった場合にスワップのキャンセルコストがかかる。
また、スワップをスタートするかどうかを選択できるオプションとして、スワップションがあるが、これは落札に至るかどうかに関わらず、オプションプレミアムを支払う必要がある。

そこで、プロファイ案件を落札できなかった場合に、解約コストなしでスワップをキャンセルできるのがディールコンティンジェントスワップである。プロファイ案件を落札できた場合はスワップ契約がスタートするが、そのスワップ契約の条件には、当然ながら金融機関の取り分である対顧ざやが上乗せされることになる。

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