Risk (Feb 2017)
・金融機関としては、できるだけ少ない数のシステムでマーケット業務を回したい。なぜなら、コストも抑えたいし、システム間のインターフェースが複雑になることも避けたいから。
・商品種別、フロント・ミドル・バックによって求められる機能も異なるため、別々のシステムになっていることも多いが、今後の規制の下では、そのような対応をしているとより一層不利になる恐れがある。
・挙げられている規制は、Mifid II, FRTB, Solvency IIの3つ。
・Mifid IIでは、スワップトレーディングを電子プラットフォームへ移し、新たな取引報告が求められるが、これはつまり、OTC取引が上場物取引と似たようなものになるということである。また、対顧客のやりとりのログをとる必要もあり、より統合的なシステム対応が求められる。
・FRTBでは、社内システム間でP&Lが異なるとより多くの資本を積まなくてはならないため、金融機関によっては、一部の取引について、社内のP&Lを一致させられないのであれば、取引を停止する可能性まであるらしい。
・欧州の保険会社ではSolvency IIによって、資産サイドと負債サイドをより統一的に管理することが求められるため、資産と負債で同一のプラットフォームを用いていなければならない。
・システムベンダーFISのプラットフォーム「Front Arena」は銀行、ブローカー、ヘッジファンド、アセットマネジメントなど、多くの業種で採用されている。
・その要因としては、上記のように金融機関がシステム間の整合性を高めたいと思っていることから、提供機能と商品カバレッジが広い点が評価されている。
・他の要因としては、出来合いのパッケージシステムとして使いつつも、各社の個別ニーズに応じてフレキシブルにシステムをカスタマイズできる点も重要である。
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