Mifid IIが為替取引の透明化を促進

“Managing FX risk: How to prepare for the unpredictable”

記事

・EUの規制である改訂版Mifid II (Markets in Financial Instruments Directive II) によって、

 取引判断の透明化と最良執行がより一層求められる。

・これにより、銀行の顧客は、取引コストを明瞭化し、その理解を深めるため、

 TCA (Transaction Cost Analysis) の活用を希望している。

・TCAは、彼らのヘッジ戦略に応じて実際に発生した取引コスト合計を、

 各個別取引の入口(Entry)と出口(Exit)にブレイクダウンすることで、

 どの取引からどれだけのコストが生じているのかが明らかとなり、

 顧客が状況に応じて取引相手を選択する意思決定の助けとなる。

・これらの顧客ニーズを受け、HSBCは「BestX」という新会社を立ち上げ、

 為替市場におけるTCAを顧客に提供している。

 これは、HSBCを利用している顧客に対して、取引時に選択可能な価格ソースを並べて

 比較できるようにすることで、顧客のガバナンスニーズを満たすものである。

・また、顧客の間では為替管理を社外にアウトソースするトレンドが生じている。

 これは、強固で追跡可能、透明性の高い為替取引の実施が求められているため、

 それ専用の業者に任せるのが自然だからである。

・さらに、Mifid IIにおける透明化と最良執行の流れは、為替のカストディ(決済)ビジネス

 にも影響を与えている。

・顧客は為替取引のリファイナンスを、対応する証券の決済が行われた後に実施していた

 が、これでは数日のタイムラグがあることにより、価格の不確実性が生じる。

・そこで、為替取引のリファイナンスを証券決済と同時に行うことにより、

 このような価格の不確実性を低減させるサービスが登場している

 (HSBCによる「Accelerated FX」)。

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