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リスクリバーサルとは
リスクリバーサルはコールとプットの組み合わせという点ではストラングルに似ている。違いとしては、ストラングルはコールもプットも買いだったが、リスクリバーサルは
・コールの買い、プットの売り
または
・コールの売り、プットの買い
となる。
ストライクはデルタで定める
リスクリバーサルはストラングルと同様に、ATMをはさむ形でストライクを設定する。最も多いのは25デルタであり、これはコールのデルタが+0.25、プットのデルタが-0.25になるストライクを使う。ストライクの大小関係は以下の通り。
25デルタプット<ATM<25デルタコール
25デルタリスクリバーサルは、組み合わせとしては、
・25デルタコールの買い、25デルタプットの売り
・25デルタコールの売り、25デルタプットの買い
のどちらかになる。
ペイオフ
リスクリバーサルの買いのペイオフについて考えると、
すなわちコールの買い、プットの売りなので、
- 原資産価格がコールのストライクよりも上がると、コールのペイオフを受け取れる。
- 原資産価格がプットのストライクよりも下がると、プットのペイオフを支払わないといけない。
ということで、原資産価格が上がればもうかり、下がればやられる。
原資産自体を保有しているのとペイオフが似ているのがわかる。
しかし重要なこととして、コールもプットも、ストライクはATMから離れており、OTM(アウトオブザマネー)なので、すぐに権利行使とはならない。
・25デルタプットのストライクからATMまでの範囲
・ATMから25デルタコールのストライクまでの範囲
はいずれも権利行使しないので、オプションペイオフはゼロでフラットである。
また、コールの買い、プットの売り、となっており、
さらに、コールのストライクとプットのストライクは、ATMから同じくらい離れている。よって、ざっくりな理解としては、プットの売りで得られるプレミアムで、コールの買いを補える、ということになる。このようにオプションの買いと売りを組み合わせてゼロコストに仕立てたものをゼロコストオプションという。
マーケットクォート
リスクリバーサルのマーケットクォートとしては、コールのボラティリティからプットのボラティリティを差し引いたもので提示する。
25デルタのリスクリバーサルであれば、そのクォートがマイナスであれば、25デルタプットのストライクの方が、25デルタコールのストライクよりも高い。すなわちボラティリティスマイルが右下がりになっている。逆にリスクリバーサルのクォートがプラスであれば、右上がりのスマイルになっている。
バタフライとは
バタフライはストラドルとストラングルの組み合わせである。
バタフライの買い=ストラドルの売り+ストラングルの買い
バタフライの売り=ストラドルの買い+ストラングルの売り
ストラドルとストラングルの違いは、ストライクが、ストラドルはATM、ストラングルはOTMでやる、という点であった。
バタフライと、ストラドルやストラングルとの違い
バタフライもストラドルやストラングルと同様に、ボラティリティに賭ける戦略である。
しかし異なる点としては、ストラドルやストラングルは、原資産価格がATMから離れるほど無制限にもうかる(ストラドルの買い)か無制限にやられる(ストラドルの売り)が、一方で、バタフライは無制限にもうかったり無制限にやられたりしない。原資産価格が大きく上がるか、もしくは大きく下がっても、バタフライのペイオフグラフのウィング(両端)はフラットなままである。
ところが、インターバンクではペイオフグラフのウィングがフラットにならないバージョンのバタフライが取引されており、ベガニュートラルバタフライと呼ぶ。これはバタフライ全体のベガがゼロになるように、ストラングルの元本を調整したものである。
バタフライとストラングルはいずれもデルタニュートラルだが、以下のような違いがある。
・ベガニュートラルバタフライ:ベガはゼロだがガンマが大きい
・ストラングル:ベガが大きくガンマが小さい
つまり、
・バタフライはベガを消してガンマにベットする戦略
・ストラングルはガンマを抑えてベガにベットする戦略
といえる。
ここで、ガンマとベガの違いを復習すると、
・ガンマはオプション満期が短いオプションの原資産価格の変動リスク
・ベガはオプション満期が長いオプションの原資産価格の変動リスク
である。
したがって、
・バタフライは短期の価格変動にベットする
・ストラングルは長期の価格変動にベットする
ともいえる。
参考文献
The Front Office Manual: The Definitive Guide to Trading, Structuring and Sales (Global Financial Markets) (English Edition) Foreign Exchange Option Pricing: A Practitioner’s Guide (The Wiley Finance Series Book 626) (English Edition)こちらもおすすめ
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