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クレジットリンクスワップ(CLS)とは
取引相手とは別の企業を参照し、その企業がデフォルトしたら期限前終了するスワップである。
スワップ自体はA社とB社の間の取引だが、第三者であるC社の発行する債券を参照し、C社の債券がデフォルトしたら、スワップは契約上の満期前であっても強制終了となる。
CLSは通常のスワップ同様、多くの種類がある。
- 同じ通貨の変動金利と固定金利を交換するもの(金利スワップ型)
- 異なる通貨の変動金利と固定金利を交換するもの(通貨スワップ型)
- 異なる通貨の固定金利どうしを交換するもの(クーポンスワップ型)
何のために使うのか
一般的にはクレジットリンク債 (Credit Linked Note; CLN) を組成する際に使われる。
CLNは多くの場合、リパッケージ債の形で発行される。
すなわち、JGBなど、手持ちの債券をSPC(特定目的会社)に預け、SPCが証券会社とスワップを行う。このスワップでは、SPCが預かった債券のクーポンを証券会社に支払い、逆に証券会社は、通貨や金利水準を変更した仕組みクーポンをSPCに支払う。SPCは証券会社から受け取った仕組みクーポンをリパッケージ債のクーポンとして投資家に支払う。
CLNは参照企業の債券にデフォルトが発生すると、それ以降クーポンの支払いは行われず、元本が一定割合だけ削減されて返ってくる。CLSを使うことで、デフォルトが発生したら、SPCと証券会社の間で行っているスワップは期限前終了するので、それ以降のクーポン支払いがキャンセルされる。
クレジットリンクスワップ (CLS) とクレジットデフォルトスワップ (CDS) の違い
クレジットデフォルトスワップ (CDS) も第三者である企業を参照するのは同じである。CDSでは、(プロテクションの)買い手が固定クーポンを一方的に支払い続け、デフォルトが発生したら、買い手は債券のデフォルト損失分を受け取る。
つまりCDSだと、デフォルトが発生するまでは両者で金利を交換するのではなく、買い手が売り手に一方的に支払うだけである。一方、CLSは通常のスワップと同様、両者で金利を交換し続ける。片方だけが金利を支払い続けるのか、両者が金利を交換し続けるかの違いがある。
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