ハザードレートの関数形に関する仮定

ハザードレートは時間の関数だが、その関数形に置く仮定としては次の2通りがある。

 
⑴ピースワイズコンスタント
⑵フラット
 
⑴は、市場で取得できるCDSの満期たちを時間グリッドとして、そのグリッド間ではハザードレートは一定であると仮定する。
つまり階段関数とするわけである。
 
こうすると、市場で見えているCDSスプレッドの数だけパラメーターがあるので、それらCDSスプレッド全てにフィットできる。
パラメーターはハザードレートの一定値で、時間グリッドの数だけある。
制約式は市場で見えているCDSの時価がゼロになる、というわけだから、制約式も時間グリッドの数だけある。
よって、全ての制約式を満たすようにパラメーターを設定できる。
 
この⑴の方法は、
保有しているCDSを、市場のCDSと整合的にプライシングするときに使う。
あるいは、
スプレッド方式で約定していた昔の頃は、市場のパースプレッドからハザードレートを逆算するときにも使っていた。
 
一方で、⑵は、満期によらずハザードレートは一定とする方法である。
この場合、フィットできるCDSの満期の数は1つだけである。
1つの満期のCDSの市場価格は再現できるが、
その他の満期については市場価格からズレてしまう。
 
この⑵の方法は、
・アップフロント形式で約定されるCDSについて、
かつ、
・マーケットクォートをコンベンショナルスプレッド方式で行う、
というときに使う。
あるいは、市場からコンベンショナルスプレッドを取得して、それに対応するアップフロントフィーに変換するときに使う。
 
この場合、契約上のクーポンレートは切りの良い数字であらかじめ決められており、アップフロントフィーを決めることによって約定するわけだが、
取引相手に提示するのはアップフロントフィーではなく、コンベンショナルスプレッドである。
コンベンショナルスプレッドは、契約上のFixed Spreadのもとで、アップフロントフィーを再現するように逆算されるCDSスプレッドである。
つまり、
 
アップフロントフィー =
(Conventional Spread − Fixed Spread)
 × リスキーアニュイテイ
 
となるように逆算されたスプレッドである。
 
ここで注意しないといけないのは、上記のリスキーアニュイテイには生存確率が含まれるが、その計算に用いるハザードレートは、ピースワイズコンスタントではなく、フラットであると仮定する。
ここでフラットの仮定を用いるのである。
なぜこのように簡便的な仮定を置くのかというと、それは単に計算がシンプルになるから、というだけであろう。

—–