CDSのディスカウントカーブ

CDSは主要なデリバティブの中でもいち早くCCPで清算されるようになった。このため、CDSを評価するときのディスカウントカーブはOISになるが、気をつけるべきなのは、ハザードレートを逆算するときだ。

CDS評価の手順としては、
 
・マーケットのCDSスプレッドのクォートからハザードレートを逆算する。
 
・ハザードレートを用いて、評価対象のCDSをプライシングする。
 
と2段階に分かれる。ここで、第1段階においては、マーケットのクォートが前提としているディスカウントカーブを用いて、ハザードレートを逆算しなければならない。
市場慣行としては、このディスカウントカーブは、ISDAが指定するLiborスワップカーブだ。よって、OISディスカウントではなく、Liborディスカウントを用いないといけない。
これはあくまでハザードレートを逆算するときだけであり、いったんハザードレートを求めたら、第2段階でCDSを評価するときには、CCPで清算されているわけだから、そのCCPが用いている変動証拠金に対する金利でOISディスカウントしないといけない。
つまり、ハザードレートを逆算するときはLiborディスカウント、プライシングするときはOISディスカウント、と割引を切り替えないといけない。
これはCDSの実務をしている人からすれば当然だが、金利や為替の人はあまり知らないかもしれない。

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