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XVA計算には多くのインプットが必要
時価計算とXVA計算で、必要となるインプットデータは大きく異なる。
XVA計算はデリバティブのポートフォリオの時価を、同じシナリオのもとで一斉に計算するため、非常に多くのインプットデータが必要になる。
よくある誤解は「1つの通貨の金利スワップだけやっているカウンターパーティであれば相関は使わない」というものである。
例えばドルスワップのみをやっている先について、円建てでXVAを計算しようとすると、次のようなデータが必要になる。
- 円金利
- ドル金利
- 円金利ボラティリティ
- ドル金利ボラティリティ
- ドル円為替
- ドル円為替ボラティリティ
- 円金利とドル金利の相関
- 円金利とドル円為替の相関
- ドル金利とドル円為替の相関
円金利や為替のデータが必要となる理由は、ドルスワップのドル建ての時価を円建てに倒さないと、円建てXVAは計算できないからだ。
スワップのXVA計算の注意点5選
スワップのXVA計算における主な注意点は以下の通り。
- スワップだけでスワップションがポートフォリオに含まれていなくても、金利ボラティリティが必要
- 金利スワップしかポートフォリオに含まれていなくても、それが外貨スワップであれば、円建てに直すために為替が必要
- その為替をシミュレーションするために、為替ボラティリティが必要
- 為替のシミュレーションにはそのドリフトとなる金利もシミュレーションすることになり、2通貨の金利ボラティリティが必要
- 金利と為替を同時にシミュレーションするため、金利と為替の相関も必要
同様に、エマージング通貨を含む通貨スワップや為替スワップをやっていると、そのXVAを計算するには、エマージング通貨のボラティリティや相関が必要になる。
例えばTHB(タイバーツ)vs JPYの通貨スワップをやっていれば、そのXVA計算には
- THBの金利ボラティリティ
- THB/JPYの為替ボラティリティ
- 関連する金利-為替の相関や金利-金利の相関
などが必要になる。
したがってこれらエマージング通貨関連のボラティリティや相関をどう求めるかが問題となる。
特にエマージング通貨の金利ボラティリティは市場から直接取得できない場合が多く、その場合はヒストリカルに推定したものを期間によらずフラットに適用するしかないだろう。金利のヒストリカルボラティリティは5Yや10Yなどのスワップレートを使うことが多いが、エマージング通貨だとスワップレートを安定的に取得できない場合もある。その場合は6Mなどのデポレート(IBORレート)を参照するしかないだろう。
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