こちらもおすすめ
【初心者向け】CVAモデルの体系的まとめ | Quant College
【初心者向け】CVAの体系的まとめnote | Quant College
LIBOR廃止とRFR移行のまとめ | Quant College
金融工学関連でおすすめの本:まとめ(目次) | Quant College
解説
CVAの計算では、エクスポージャーにデフォルト確率をかけたものを時間方向に積分し、最後にLGDをかけるのだが、このLGDに何を使うべきだろうか。ここでの話はAndrew GreenのXVA本にならっている。
基本的には、デフォルト確率を求めるのに用いたCDSのLGDを用いればいいだろう。しかしこれは、カウンターパーティがデフォルトしたときの返済順位が、デリバティブ資産負債とシニア債とで同順位の場合に限る。このシニア債は、CDSが参照する債券のことを指している。
仮にデリバティブの返済順位が、シニア債よりも低かったとしよう。この場合は、シニア債券の支払いをした後、もし余裕があればデリバティブの支払いもなされる、ということになる。すると、期待値ベースでは、デリバティブの損失はシニア債の損失よりも大きくなるが、CDSの支払いはシニア債にしか行われない。CVAのヘッジを考えると、より多くの元本のCDSを買っておかないといけない。シニア債の損失分では足りないからである。CVAのLGDはCDSのLGDよりも大きくなるだろう。
逆の場合は逆である。仮にデリバティブの返済順位がシニア債よりも高かったとすると、ヘッジに必要なCDSの元本はより小さくなり、CVAのLGDはCDSのLGDよりも小さくなるだろう。
さらに問題になるのは、プロキシースプレッドを用いているカウンターパーティである。この場合、CDSもなければ参照するシニア債もないわけであり、LGDをどのように設定すべきかは悩ましい問題になる。
こちらもおすすめ
【初心者向け】CVAモデルの体系的まとめ | Quant College
【初心者向け】CVAの体系的まとめnote | Quant College