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解説
金利モデルとしてはみんなだいたいHull-White1Fかその変形版を用いている。問題になるのはパス生成のドリフトである。
まず基準通貨を選択する。
日系金融であれば円だろう。
次にニューメレールを選択する。これは基準財とも呼ばれる。
ありうるものとしては、バンクアカウント、満期の長い割引債、HaganのLGMニューメレール、などがある。
次に、これらニューメレールに関連するディスカウントカーブを選択する。マルチカーブの世界においては、同じ通貨でもディスカウントカーブの選択肢が複数あるからである。
ありうるのは基準通貨のOISディスカウントカーブか、基準通貨の標準テナーのLiborディスカウントカーブだろう。
基準通貨を円に設定した場合、円金利以外の外貨金利は、パス生成に用いるドリフトに、いわゆるクオント調整が必要になる。なぜなら、全てのリスクファクターを同じ円メジャーのもとで生成しないといけないからである。外貨金利を外貨メジャーではなく円メジャーで生成する必要がある。クオント調整は、外貨金利のボラティリティ、外貨と円貨の為替のボラティリティ、外貨金利と為替の相関を掛け合わせたものである。
金利のパス生成については、
・ガウシアンファクターのパスを生成する
・ショートレートのパスを生成する
・割引債価格のパスを直接生成する
などと色々なアプローチがある。
さらに問題となるのは、マルチカーブ対応である。
取引評価にあたって、
・担保通貨ごとに異なるディスカウントカーブ
・金利インデックスのテナーごとに異なるプロジェクションカーブ
が必要になる。しかしながら、パス生成するのは、各通貨について1つの金利のみである。これは、上で述べた、ディスカウントカーブの選択、のところで選んだ割引金利に対応する。各通貨について1つの割引金利をシミュレーションしていることになる。
マルチカーブ対応として一般的なのは、あらゆるベーシスが全て確定的と仮定するものである。そうすれば、基準日におけるカーブ間のスプレッドを固定しておけるので、将来時点におけるカーブは、シミュレーションで得られた1つのディスカウントカーブに、その固定しておいたいろんなスプレッドを足せば、いろんなカーブが得られることになる。
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