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解説
スワップションにはフィジカルセトルとキャッシュセトルがあり、ユーロやポンドなど欧州通貨ではキャッシュセトルが主流だが、ドルではフィジカルセトルも多く、円ではほとんどがフィジカルセトルだ。
フィジカルセトルだと、スワップションを行使すると、そこからスワップ取引が開始する。このため、スワップションが行使された後も、スワップのエクスポージャーが残るため、これをCVA計算に含めることになる。
問題は、フィジカルセトルにより発生するスワップのカウンターパーティが誰なのか、という点だ。
最終的なCVAの値へのインパクトが大きいのは無担保取引だが、無担保取引をやっているカウンターパーティは、事業会社などデリバティブのエンドユーザーである。
彼らとの取引でスワップションが絡んでくる商品は、典型的なのはコーラブルスワップである。これは、スワップとその反対サイドのスワップションを組み合わせたものである。
このため、スワップションの権利行使後、同じカウンターパーティに対して実際にスワップが発生しないと困る。反対サイドのスワップが発生しないと、元々のスワップのキャッシュフローが相殺されず、スワップの早期解約にならないからだ。
このような場合、フィジカルセトルのスワップションでは、権利行使されると、スワップションと同じカウンターパーティに対するスワップが開始される。
一方で、事業会社とのコーラブルスワップのヘッジに用いる、インターバンクサイドのスワップションはどうか。インターバンクで行うフィジカルセトルスワップションは、権利行使後に発生するスワップのカウンターパーティは、CCPである。円スワップションであれば、JSCCとのスワップが開始される。
対CCPの取引は、まだいまのところは、CVA計算の対象とはしないのが一般的である。このため、インターバンクでのスワップションの権利行使で発生するスワップ部分は、CVAのエクスポージャーからは除く必要がある。
一部の市場参加者は、CCPに対するCVAも考慮に入れるべきと思っているようだが、他の清算参加者のポジションが見えないため、CCPに対するCVAを精緻に計算するのは困難とみられている。
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