クオンツの年収:日系と外資系の違い

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はじめに

クオンツの年収は他の金融専門職と同様、以下のような軸で変わってくる。

  • 日系か外資系か
  • 特に日系の場合、新卒採用か中途採用か
  • 特に外資系の場合、フロント部署かミドル部署か
  • セルサイドかバイサイドか
  • 業界はどれか( 証券、銀行、信託、生保、損保、アセマネ、システムベンダー、コンサルなど )

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日系の場合

新卒採用の場合

もちろん業界、会社、景気動向によって変わってくるが、日系は30歳前後で1,000万円に到達するだろう。

日系は職種ごとに年収テーブルが異なるということは、基本的にない。つまりクオンツだから同期より給料が高いとか、同期より給料が低い、などということはない。クオンツだろうが営業だろうが関係ない、というわけだ。

ただし例外として、一部の証券会社などでは、特殊技能が必要な職種では上乗せで給料を払う、という場合もある。クオンツもそのような職種に指定されていると、特殊技能に対する手当のような形で、追加で給料がもらえる場合がある。これは生命保険会社などにおけるアクチュアリーの資格手当のようなものである。

そのような例外を除いて、職種ではなく職階ごとに給料が決まっている。日系だと横並びで昇進つまり職階が上がっていくことが多く、新卒であれば入社年次で給料が決まってしまう。年上の人は給料が高く、年下の人は低い、というだけである。

よって日系のクオンツは会社の給与テーブルに沿った給料になる。クオンツはそもそも大手金融機関にしかいないので、大手日系金融の総合職の年収と同じになる。

中途採用の場合

中途採用の場合は完全にケースバイケースとなる。

採用される際にどの職階で採用されるか、によって給料が決まる。このとき、残念ながら前職の給料が参考にされ、それプラスアルファ、として決まることが多いが、経験や実績によってはプラスアルファが大きくなる場合もある。

上記は新卒採用と同じ給与テーブルに乗せられる場合の話だが、会社によっては新卒採用と中途採用で別の給与テーブルになっていることもある。プロ職というような名前で、成果主義の年俸制になっている。同じ中途採用でも、新卒採用と同じ給与テーブルに乗せられる場合もあれば、プロ職として採用される場合もあり、そのどちらにするかを自分で選べることもある。

よって、以上のことから、傾向としては新卒採用よりも中途採用の方が待遇が良い場合が多い。

業界ごとの違い

大手日系金融は総合商社に比べると見劣りするが、他の業界に比べてかなり恵まれている。肌感覚としては、

損保・証券>生保>信託>銀行

という感じだろうか。特にマリンと野村は他と比べ高給な印象。証券はボーナスがマーケット環境によってかなり変わってくるので一概に言えない。30歳で1,000万円に到達しないのは信託と銀行あたりだろう。残業時間にもよるだろうが、銀行はメガでも32歳から34歳くらいになるまで1,000万円行かない、という話をよく聞く。

銀行・証券

クオンツが多くいるのは証券と銀行であり、証券ならかなりの高給、銀行の場合は同じ金融業界内では恵まれていないが、他の業界と比べるとかなり高給、といえるだろう。

信託銀行

信託銀行には2種類のクオンツがいる。デリバティブクオンツとクオンツファンドマネージャーである。

信託銀行も銀行ほどではないがデリバティブやそれを組み込んだ商品を販売しているので、デリバティブクオンツが非常に少数だが在籍しているようだ。しかし自前開発ではなくパッケージシステムを使うことになるだろう。

クオンツファンドマネージャーについてはおそらくパッシブ運用に関するポートフォリオ最適化の仕事になるだろう。

信託銀行の待遇は銀行とほぼ同じか、それより若干高い程度だろう。傾向としては生保より信託の方が若干低いと思われる。

生保・損保

保険会社にクオンツはほとんどいないが、信託銀行と同様、

・ポートフォリオ最適化関連の仕事
・変額年金保険の商品開発だと、デリバティブクオンツと似た仕事

になる。実際、

・第一生命ではアクチュアリーとは区別してクオンツ採用をやっているはず
・マリンはアクチュアリー・クオンツコースというような形で採用をやっているはず

損保でクオンツ系の仕事となると、資産サイドのアセットアロケーションやALMなどか、商品開発だろう。損保の商品開発はオペレーショナルリスク管理と似たような話になると思われる。つまり頻度分布と損失額分布を仮定してリスク量を求める、というような感じだ。

保険会社の待遇は傾向として銀行や信託よりも良く、ボーナスの変動は証券よりも穏やかなので、おいしい高給業界といえるだろう。生保よりも損保の方が待遇は良いようだ。

アセットマネジメント

アセマネはよく知らないが、まったりしているわりにかなり高給であると聞く。某アセマネでクオンツインターンをやっていた際に聞いた話では、確定申告の際には、たいして偉くもないポジションの人であっても確定申告をしている、とのことである。つまり2000万円以上の収入がある人も多いということだろう。

当然ながらマーケット環境や職種にもよるだろうが、証券と同じかそれ以上に稼げる場合も多いようだ。 アセマネでもおそらく、ミドル部署で調査開発をしているクオンツよりは、クオンツファンドマネージャーとしてフロント部署で運用に携わるクオンツの方がボーナスが多いと思われる。

外資系の場合

外資系は部署やチームによっても異なるが、証券会社のフロント部署にいるデスククオンツなら、入社後すぐに1,000万円を超えることもあり得るだろう。とにかくお金の近くにいる仕事であるほどボーナスが多く、年収が高くなる。

デスククオンツ>その他フロントクオンツ>ミドルクオンツ

となる。ミドル部署はフロント部署に比べボーナスはかなり低いが日系に比べると特に20代の基本給はかなり高いといえる。20代のうちに1,000万円に到達するだろう。

東京の新卒採用でクオンツを採用しているケースは今やほとんどないと思われる。昔はJPモルガンなどがクオンツコースで新卒採用をやっていたが、今となってはほとんどなくなっているようで、セールス&トレーディングの部署で採用されてもセールス、ストラクチャラー、トレーダーのどれかになるだろう。

一方、中途採用であれば、東京でもクオンツ採用は一部で残っている。フロントよりはミドルのModel Validation Groupのポジションをよく見かける。

まとめ

クオンツの年収については以下のようにまとめられるだろう。

  • 高給だが他の金融専門職と同様の扱いであり、クオンツだからという理由で高給になることはほとんどない
  • (当たり前だが)日系より外資系の方が高い
  • 新卒採用より中途採用で入った人の方が高くなりがち
  • ミドル部署よりフロント部署、お金の流れている場所の近くで働いているクオンツほど、高くなる
  • セルサイドもバイサイドも高給だが、普段のまったり具合やボーナスの変動などを考慮すると、バイサイドの方がコスパが良いと思われる
  • 業界としては、 証券・アセマネ・損保の待遇が良く、以下、>生保>信託>銀行という感じの順番だろう

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