文系でもクオンツになれるのか?

回答

結論、文系でもクオンツになれます。

身の回りにも文系出身のクオンツは、少数派ではあるものの、一般の人が思っている以上にいる。

ただしバイサイドとセルサイドで結構違ってくる。
バイサイドには経済学部卒など文系出身がかなりいるが、セルサイドはかなり少ない。

バイサイドの場合

バイサイドはクオンツFM(ファンドマネージャー)だと経済学部出身者が多いし、モデル開発のクオンツでも計量経済学などを学んだ文系院卒は多い。しかしいずれにしてもクオンツ的な仕事をするのであれば、さすがに数学が苦手な人では生き残れないだろう。

とはいっても最近のバイサイドは特に、数学はあまり発展的な内容を知らなくてもいいから、とにかくプログラミングができる若手がほしい、という感じになってきている。

需要のある言語はPythonが筆頭で、次いでR、その次にVBAだろう。これらの言語で統計解析・時系列分析・機械学習を使ったモデルを開発・実装できる、というスキルに需要があると思われる。

もちろん必ずしも学生の間に習熟している必要はないが、理系学生が大勢いる中で文系学生を採用する場合には、やはりプログラミングが得意そうな学生を優先するだろう。

セルサイドの場合

セルサイドのクオンツに文系出身はあまりいない。特に、高校→大学→大学院、と常に文系だった人はほとんどいない。セルサイドの文系出身クオンツでよくあるパターンは以下の通り。

  • 学部は理系だが、大学院は東大や一橋の経済で金融工学を専攻
  • 東大理一に入ったが、経済学部金融学科に進み、金融工学を専攻
  • 高校は理系だったが、(場合によっては浪人の末)最終的には東大文二や一橋の経済に進み、金融工学や計量経済学を専攻

というわけで、セルサイドの文系出身クオンツに多いのは「実質的に理系」という感じの人である。また、高校から大学院まで文系であった人でも、専攻は金融工学や数理ファイナンス、という人である。

クオンツ採用の募集要項でも「理工系または金融工学系の専攻の方」というような書き方になっているのはよく見かける。この場合、金融工学系の専攻の方というのは、多くは「実質的に理系の人」を念頭に置いている。

文系・理系という分け方に少々無理がある?

日本特有?の文系・理系という分け方があまり意味を成していない。

ひとくくりに理系の大学院といっても、

・アドバンストな数学をゴリゴリやる研究室は必ずしも多くない
・金融の現場で役立つようなプログラミングを身につけられない研究室も多い

というのが実態である。昔、金融機関では一時期、理系学生なら誰でもいいかのごとくクオンツ枠で採用したものの、ふたを開けてみれば、

・数学?実験系なのであまり得意じゃないですねえ・・
・プログラミング?授業でMatlabとかFortranは一瞬使いましたが・・

というようなケースもあったようだ。その後、反省を踏まえて、数学とプログラミングができそうな理系にしぼって採用が行われるようになったと思うが、それと同時に金融工学系の学生も採用が増えたような気がする。

経済系の大学院でも東大など有名大学であれば、

・アドバンストな数学を使って数理ファイナンスを教えているケースもある
・MatlabとかFortranではなく、C++やPythonなど実務ですぐ役立つプログラミング言語を使って数値計算を教えているケースもある

というわけなので、経済系の大学院出身のセルサイドクオンツがたまにいてもおかしくはないだろう。

しかし全般的にバイサイドよりもセルサイドの方が文系出身クオンツはかなり少ないのではと思う。

まとめ

  • 文系でもクオンツになれる
  • とはいっても数学やプログラミングが苦手だと当然アウト
  • 文系といってもほとんどは経済学部や経済系の院卒で、専攻は金融工学や計量経済学など、仕事で直接使えそうな分野に限られる
  • バイサイドの方がセルサイドよりも文系出身クオンツが多い印象
  • セルサイドの文系出身クオンツは、バックグラウンド的には「実質的に理系」という場合が多い
  • 最近は、理系なら誰でもいいということではなく、理系の中でも数学とプログラミングを大学できちんと鍛えてそうな学生が優先的に採用される

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