確率解析の理論本おすすめ6選【確率過程/確率微分方程式の教科書/参考書】

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はじめに

確率解析、確率微分方程式、確率過程の理論を学ぶのにおすすめの本を紹介していく。難易度はかなりバラバラであり、初級レベルの本から上級レベルの本まで、難易度順に紹介していく。

確率解析を理解するには、その前に測度論的確率論を学んでおく必要がある。

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今回の記事では数理ファイナンスへの応用ではなく、確率解析の理論をあくまで数学の一分野として学ぶ人向けである。

数理ファイナンスへの応用に関する本は以下の記事を参照。

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1.(初級レベル)成田本

計算と例題で「なるほど」と分かる確率微分方程式

  • 取っ掛かりの一冊目に良い
  • 具体例が多く、初心者への配慮がなされている
  • 定理の証明は省略しがちなので、厳密に理論を学びたい人は他の本が必要
  • 手を動かして式変形しながら確率解析に慣れ親しむことができる
  • 例題、演習問題が多いので問題集・ワークブック感覚で学びたい人におすすめ

2.(初級レベル)エクセンダール本

確率微分方程式

  • 理論を解説した本にしては、読みやすさに定評のある本
  • 定理の証明に行間があまりなく、スムーズに読める
  • 最初に学ぶ人が引っかかりやすい疑問点について、先回りして説明してくれる箇所もあり、親切
  • カラザスシュリーヴ本などに比べると論証の厳密性は下がるが、その分だけ初心者にとってわかりやすい
  • ファイナンスや経済学等への応用を意識した章もある

3.(中級レベル)舟木本

確率微分方程式

  • 定理→証明が続く、数学書の形式をとっているが、説明が丁寧でわかりやすい
  • 長い証明については、いくつかのステップに分けて、「証明全体の中で今はどの部分の論証をしているのか」を説明してくれるので、読んでいる途中で迷子になりにくい
  • 数学書をある程度読み慣れている人なら、確率解析の理論を学びたい人の一冊目として定番であり、おすすめ

4.(中級~上級レベル)長井本

共立講座21世紀の数学 (27) 確率微分方程式

  • 確率制御の目線で確率解析を解説した本として貴重
  • コンパクトにまとまっている
  • 一般的な設定で議論を進めるので、抽象度が高い
  • 上で紹介した他の本を学習後にチャレンジしたい
  • 証明の行間は広めで、説明は簡潔であっさりしているので数学徒向け

5.(上級レベル)カラザスシュリーヴ本

ブラウン運動と確率積分

  • 確率解析の数学書として最も定番のテキスト
  • たいていのことが書いてあり、辞書として手元に置いておきたい
  • 有益な注釈がRemarkに書かれていたりするので、読み直すに従って良さがわかってくるスルメ本
  • 確率論・確率解析の専攻学生がM1のセミナーで輪読することが多い
  • 分厚い本であり、厳密に書かれているので、独学というよりは輪読向き

6.(上級レベル)谷口松本本

確率解析 (確率論教程シリーズ)

  • 伊藤解析とマリアヴァン解析の両方を解説する和書として貴重
  • とにかく情報量が多い
  • 一冊目では厳しい。二冊目以降に読む本

(番外編)(超上級レベル)重川本

確率解析

  • おそらく確率解析の和書で最も難しい
  • マリアヴァン解析(無限次元確率解析)において、数少ない日本語の文献
  • 伊藤解析と関数解析の深い理解が前提となっている
  • 身の回りでこれを読み切れた人はほぼ聞いたことがない

まとめ

  • 定義→定理→証明という流れの数学書を読み慣れていない人は、[1] 成田本か[2] エクセンダール本。具体例で手を動かして学びたい人は[1]が良いだろう。
  • 数学書を呼んだ経験のある人は[3] 舟木本が定番
  • 確率解析の既修者で確率制御の学習につなげていきたい人は[4] 長井本
  • 確率解析を専門分野にしたい数学専攻の人は[5] カラザスシュリーヴ

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