目次
こちらもおすすめ
金融工学・デリバティブ・確率解析を独学するのにおすすめの本・教科書:クオンツ志望者向けの6冊 | Quant College
【随時更新】クオンツ就活の筆記・面接試験対策でおすすめの本:6冊 | Quant College
計算演習 確率解析(伊藤の公式編)をリリースしました。 | Quant College
計算演習 確率解析(ブラウン運動編その1)をリリースしました。 | Quant College
はじめに
確率解析、確率微分方程式、確率過程の理論を学ぶのにおすすめの本を紹介していく。難易度はかなりバラバラであり、初級レベルの本から上級レベルの本まで、難易度順に紹介していく。
確率解析を理解するには、その前に測度論的確率論を学んでおく必要がある。
測度論的確率論の独学におすすめの本8選【わかりやすい教科書/参考書】 | Quant College
今回の記事では数理ファイナンスへの応用ではなく、確率解析の理論をあくまで数学の一分野として学ぶ人向けである。
数理ファイナンスへの応用に関する本は以下の記事を参照。
金融工学・デリバティブ・確率解析を独学するのにおすすめの本・教科書:クオンツ志望者向けの6冊 | Quant College
1.(初級レベル)成田本
- 取っ掛かりの一冊目に良い
- 具体例が多く、初心者への配慮がなされている
- 定理の証明は省略しがちなので、厳密に理論を学びたい人は他の本が必要
- 手を動かして式変形しながら確率解析に慣れ親しむことができる
- 例題、演習問題が多いので問題集・ワークブック感覚で学びたい人におすすめ
2.(初級レベル)エクセンダール本
- 理論を解説した本にしては、読みやすさに定評のある本
- 定理の証明に行間があまりなく、スムーズに読める
- 最初に学ぶ人が引っかかりやすい疑問点について、先回りして説明してくれる箇所もあり、親切
- カラザスシュリーヴ本などに比べると論証の厳密性は下がるが、その分だけ初心者にとってわかりやすい
- ファイナンスや経済学等への応用を意識した章もある
3.(中級レベル)舟木本
- 定理→証明が続く、数学書の形式をとっているが、説明が丁寧でわかりやすい
- 長い証明については、いくつかのステップに分けて、「証明全体の中で今はどの部分の論証をしているのか」を説明してくれるので、読んでいる途中で迷子になりにくい
- 数学書をある程度読み慣れている人なら、確率解析の理論を学びたい人の一冊目として定番であり、おすすめ
4.(中級~上級レベル)長井本
- 確率制御の目線で確率解析を解説した本として貴重
- コンパクトにまとまっている
- 一般的な設定で議論を進めるので、抽象度が高い
- 上で紹介した他の本を学習後にチャレンジしたい
- 証明の行間は広めで、説明は簡潔であっさりしているので数学徒向け。
5.(上級レベル)カラザスシュリーヴ本
- 確率解析の数学書として最も定番のテキスト
- たいていのことが書いてあり、辞書として手元に置いておきたい
- 有益な注釈がRemarkに書かれていたりするので、読み直すに従って良さがわかってくるスルメ本
- 確率論・確率解析の専攻学生がM1のセミナーで輪読することが多い
- 分厚い本であり、厳密に書かれているので、独学というよりは輪読向き
6.(上級レベル)谷口松本本
- 伊藤解析とマリアヴァン解析の両方を解説する和書として貴重
- とにかく情報量が多い
- 一冊目では厳しい。二冊目以降に読む本
(番外編)(超上級レベル)重川本
- おそらく確率解析の和書で最も難しい本
- マリアヴァン解析(無限次元確率解析)において、数少ない日本語の文献
- 伊藤解析と関数解析の深い理解が前提となっている
- 身の回りでこれを読み切れた人はほぼ聞いたことがない
まとめ
- 定義→定理→証明という流れの数学書を読み慣れていない人は、[1] 成田本か[2] エクセンダール本。具体例で手を動かして学びたい人は[1]が良いだろう。
- 数学書を呼んだ経験のある人は[3] 舟木本が定番
- 確率解析の既修者で確率制御の学習につなげていきたい人は[4] 長井本
- 確率解析を専門分野にしたい数学専攻の人は[5] カラザスシュリーヴ
あわせて読みたい
測度論的確率論の独学におすすめの本8選【わかりやすい教科書/参考書】 | Quant College
【厳選】統計学の勉強におすすめの本9選【初心者から上級者まで】 | Quant College
主成分分析と因子分析の違いと使い分け【わかりやすく】 | Quant College
再現率/適合率とは?違い/覚え方【わかりやすく】 | Quant College
第一種過誤/第二種過誤とは?違いと覚え方をわかりやすく | Quant College
【簡単にわかりやすく】棄却サンプリングとは【乱数生成方法】 | Quant College
【簡単にわかりやすく】スプライン関数による曲線補間 | Quant College
ニュートン法と勾配降下法の違い | Quant College
【ファイナンス機械学習の勉強メモ】MDA (Mean Decrease Accuracy) とは | Quant College
【わかりやすく】RANSAC(Random Sample Consensus)とは:アルゴリズム、最小二乗法との違い、読み方 | Quant College
こちらもおすすめ
金融工学・デリバティブ・確率解析を独学するのにおすすめの本・教科書:クオンツ志望者向けの6冊 | Quant College
【随時更新】クオンツ就活の筆記・面接試験対策でおすすめの本:6冊 | Quant College