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書籍レビュー
本記事では、拝読させてもらった以下の書籍をレビューしていく。
データ駆動型ファイナンス: 基礎理論からPython機械学習による応用
共立出版株式会社様@kyoritsu_pubより新刊
— QDくん⚡️Python x 機械学習 x システムトレード (@developer_quant) July 22, 2022
「データ駆動型ファイナンス: 基礎理論からPython機械学習による応用」https://t.co/du1Eeubn5M
をご寄贈頂きました。ありがとうございます。第I部~II部がポートフォリオや無裁定価格の基礎理論、第III部がRNNなど機械学習による株価予測。拝見させて頂きます pic.twitter.com/n1WJ31yyAW
概要
- ファイナンスと機械学習の両方が学べる書籍は和書だと非常に少なく、貴重な存在といえる
- ページ数は、ファイナンスパートの第I部~第II部のほうが機械学習パートの第III部より若干多い程度で、概ね半々といったところ
- あくまでファイナンスのテキストなので、メインはファイナンス理論であり、機械学習について理論も含めてがっつり学べるというわけではない
- 機械学習については、深層学習を中心に、アルゴリズムトレードによく応用されている分野を最短距離で解説している
- 最短距離という意味は、アルゴリズムトレードへの応用という目的にしぼって、必要な知識を効率的に説明していく、ということ
ファイナンス理論パートについて
- 入門的な内容にフォーカスしており、基本的に中級以上の内容は出てこない
- 説明するトピックをしぼっている一方で、扱うトピックについては非常に丁寧に解説されている
- 数式は出てくるものの直感的な説明が中心であり、言葉で詳しく説明していくスタイル
- 数式のレベルは(理系)学部一年くらいの線形代数、微分、確率あたり
- 数式展開・式変形の多くは省略されているので、読者は数式を細かく追って行く必要はない
- 数式展開の最終結果を直感的に説明・解釈することがメインなので、数学弱者でも話の流れを見失わないように工夫されている
- 数式展開の部分は章末問題になっており、ある程度詳しい解答が付いているので自習にも使えるだろう(大学のテキストにはそもそも、問題に解答すら付いていないものが多いので、かなり親切なテキストという印象)
機械学習パートについて
- 機械学習パートも基本的内容にしぼって解説されており、概念の説明とPython実装の説明が両方バランス良く書かれている
- あくまで応用目線なので、機械学習それ自体の理論(数学的な部分)には深入りしない
- 深層学習の実装に用いるライブラリはKeras
- 説明に用いているデータセットとソースコード(Jupyter Notebook)は著者のGitHubにアップされており、ダウンロード可能
- Pythonの環境構築や基本的な文法の説明はないので、簡単なPythonコードを書いた経験があるとスムーズに読める
- コードを修正しながら結果の変化を考察していくので、実際に機械学習を応用する場面における、試行錯誤の流れを体験できる構成になっている
- 株トレードへの応用は基本的な内容で、実戦的というよりは教科書的
- 入門書ということもあり、すぐにシステムトレードの実戦で使える内容ではなく、その前段階の基礎を身に付けるのが目的
まとめ
- 「機械学習を用いたアルゴリズムトレードに関して、洋書や翻訳書を読んだが難しすぎた」という方にとって、基礎固めに使える本
- 統計的裁定、ペアトレードを和書で学べるのは貴重
- 第I部~第II部は、「ファイナンスの教科書を読んだが数式展開で挫折した」という方に特におすすめ
- 第III部は、「機械学習のトレードへの応用に興味があるが『ファイナンス機械学習』は難しすぎた」という方に特におすすめ
- 『ファイナンス機械学習』に比べるとかなり親切で、レベルも基本的なので、多くの読者にとって安心して読めると思う
- しかし一方で、機械学習を本格的にトレードの実戦で使おうとすると、結局は『ファイナンス機械学習』あるいはそれと同レベルの洋書を読まないといけなくなると思われる
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