【新刊紹介】Pythonとファイナンス事例で学ぶ機械学習

ニューラルネットワークによるオプション評価をPythonで学べる本

2022/10/19に金融財政事情研究会(きんざい)から、興味深い新刊が出ていた。

Pythonとファイナンス事例で学ぶ機械学習

紹介文は以下のようになっている。

「デリバティブの時価評価を行う機械学習プログラムをPythonで実装
◆Pythonコーディングの基礎から説明、初学者にも安心(購入者特典プログラム付き)
◆Pythonで構築したニューラルネットワークでオプションの時価評価を実践
◆ニューラルネットワークで関数を近似できる理由とそのファイナンスへの応用可能性を探求
◆Pythonとニューラルネットワークを基礎から理論的に学びたいビジネスマンに最適の書」

今回の新刊の主要目次は以下の通り。


【主要目次】
1 序 論
2 デリバティブと時価
3 機械学習
4 時価評価への活用例
5 Pythonによる実装の準備
6 Pythonによる実装―入力も出力も1変数の場合
7 Pythonによる実装―入力が2変数で出力が1変数の場合
8 Pythonによる実装―入力が2変数で出力も2変数の場合
9 ニューラルネットワークで関数を近似できる理由
10 機械学習をビジネスに応用するうえでの課題と展望


機械学習、特にニューラルネットワークを用いて、オプション評価を行う方法がPythonで学べるようだ。

デリバティブ時価を数値計算法により近似的に求めるというのは、実務でも日常的に行われているが、最近の研究では機械学習モデルでデリバティブ時価を求める話がよく出ている。この分野については、以下の記事でサーベイ論文を簡単にまとめている。
【論文紹介】ニューラルネットワークのオプション評価への応用【サーベイ論文の翻訳】 | Quant College

詳細目次

詳細目次は、
きんざいストア (kinzai.jp)
で見ることができる。

1 序  論
2 デリバティブと時価
2-1 デリバティブの種類
2-2 デリバティブの目的
2-3 デリバティブの会計
2-4 デリバティブの評価調整
2-5 バーゼル規制
2-6 数学の復習
2-7 固定キャッシュフローの時価
2-8 連続複利
2-9 先渡しの時価
2-10 ヨーロッパ型コールオプションの時価
2-11 モンテカルロ法の説明
3 機械学習
3-1 前章までの振り返り
3-2 ニューラルネットワークとは
3-3 ニューラルネットワークの設定
3-4 ニューラルネットワークの学習
3-5 誤差逆伝播法
3-6 【付録】誤差逆伝播法における第2層の偏微分係数の導出
3-7 【付録】誤差逆伝播法における第1層の偏微分係数の導出
3-8 前処理
3-9 ミニバッチ
4 時価評価への活用例
4-1 学習対象
4-2 入力変数が1つ,出力変数が1つの場合のニューラルネットワーク
4-3 入力変数が2つ,出力変数が1つの場合のニューラルネットワーク
4-4 入力変数が2つ,出力変数が2つの場合のニューラルネットワーク
5 Pythonによる実装の準備
5-1 環境の準備
5-2 変数の型と処理
5-3 条件分岐
5-4 繰り返し処理
5-5 関  数
5-6 クラス
5-7 アレイ
5-8 データフレーム
5-9 描  画
6 Pythonによる実装――入力も出力も1変数の場合
6-1 ニューラルネットワークの設定変数の準備
6-2 学習対象となる関数の用意
6-3 正解データの用意
6-4 訓練データと検証データの分離
6-5 データの確認
6-6 入力の変換
6-7 ニューラルネットワークの構築
6-8 ニューラルネットワークの学習実行と評価
7 Pythonによる実装――入力が2変数で出力が1変数の場合
7-1 学習対象となる関数の用意
7-2 正解データの用意
7-3 訓練データと検証データの分離
7-4 データの確認
7-5 入力の変換
7-6 ニューラルネットワークの構築
8 Pythonによる実装――入力が2変数で出力も2変数の場合
8-1 学習対象となる関数の用意
8-2 正解データの用意
9 ニューラルネットワークで関数を近似できる理由
9-1 入力が1変数,出力が1変数の場合①
9-2 入力が1変数,出力が1変数の場合②
9-3 入力が2変数,出力が1変数の場合
9-4 入力が2変数,出力が2変数の場合
9-5 ノードと層の数
10 機械学習をビジネスに応用するうえでの課題と展望
10-1 現場の喫緊ニーズ
10-2 機械学習における技術的な工夫
10-3 継続的な検証
10-4 モデルの説明責任
10-5 最後に

データサイエンスのファイナンスへの応用に関する他の書籍

データサイエンスのファイナンスへの応用では、最近になって以下のような書籍も出ている。
【書籍レビュー】データ駆動型ファイナンス: 基礎理論からPython機械学習による応用 | Quant College

洋書についても、出版予定日がかなり先だが、XVAで有名なAndrew Greenが深層学習の数量ファイナンスへの応用に関する本を執筆中のようだ。

Deep Learning in Quantitative Finance (Wiley Finance)

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