ディープヘッジングの概要

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ディープヘッジングとは
 
Deep Hedgingの概要をメモしておく。
 

・目的は、損益分布の形状を望ましい形にすること。大きい損失が出ないようにする。

 
・そのためには、目的関数をどう設定すればいいか?
・1つの方法としては、ポートフォリオ最適化で出てくるように、損益の期待値からリスク選好度に見合った損益の分散を差し引いたものを用いる。分散が大きいと望ましくないので目的関数の値が下がる。
・ここで重要なのは、リスク選好度が入ってくることであり、リスク中立測度ではなく実測度での分布を考える、ということだ。
 
・満期における損益関数はどう定義すればいいか?
・既存のポートフォリオから生じるキャッシュフローを足す
・ヘッジ商品から生じるキャッシュフローを足す
・ヘッジ取引の枚数x単価を差し引く
・ヘッジによる取引コストを差し引く
・取引コスト以外にも、取引可能枠、CVaRなどのリスクメジャーなどをインプットする
 
・この損益関数のアウトプットである損益は確率的であり、何かしらの分布を持つ。
・この損益分布をもとに目的関数の値が出るので、あとは目的関数を最適化するようなヘッジ関数を求めればよい。
・ここで、ヘッジ関数とは、各時点におけるヘッジ枚数を返すものであり、経路依存である。つまり、t時点でのヘッジ枚数は、0時点からt-1時点までのヘッジ枚数に依存して決まる。
 
・ここで問題になるのは以下の2点
⑴実測度における将来のシナリオをどう生成するか?
⑵目的関数をどう最適化するか?
 
・1点目について、現実のマーケットでは裁定機会があるため、それを考慮に入れなければならない。
・もっとも、実測度における市場変数のシミュレーションは、他の分野で既にけっこう研究されているものと思われる。
 
・2点目について、ディープニューラルネットワークを用いる。ニューラルネットワークのウエイトたちを調整することで目的関数を最適化する。

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