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解説
グリークスとは、オプション価格のインプットパラメーターに対する感応度(偏微分)である。インプットパラメーターの値が少し動いたときに、オプション価格がどれくらい動くかを表す。
グリークスにはいろんな言い方があるが、オプションの文脈ではどれも同じ意味である。
- グリークス(Greeks)
- ギリシャ文字
- ギリシャ指標
- リスク指標
今回は比較的メジャーなものを取り上げる。
1.デルタ(Delta, \(\Delta\))
これは最もメジャーなものであり、オプション価格の原資産価格に対する感応度である。通貨オプションであれば為替レートに対する感応度ということになる。デルタニュートラルなポジション、という用語があるが、これはデルタがゼロになるようなポジションのことで、すなわち原資産価格が上がろうが下がろうがポジションに損益が発生しない状態を表す。
2.ベガ(Vega, V)
インプライドボラティリティに対する感応度である。
バニラオプションの価格は金額ベースではなくインプライドボラティリティ(IV)の形式でクォートされる。オプション価格とIVは一対一対応するので、IVそれ自体がオプション価格とみなすこともできる。
しかし実務上は、IVをマーケットから取ってきて、それをBlack式などにインプットすることによってオプション価格を出す、という場面もある。この場合、IVはインプットパラメーターとみなせるが、それに対するオプション価格の感応度がベガである。
ベガは原資産価格の長期的な変動に対する感応度を示す。
3.セータ(Theta, \(\Theta\))
オプション満期に対する感応度の符号を反転させたものである。オプションは満期が短くなるにつれ時間価値が下がるため、満期に対する偏微分はマイナスになる。その符号をプラスにしたものがセータということになる。
4.ガンマ(Gamma, \(\Gamma\))
原資産価格に対する2階微分である。つまりデルタをさらに原資産価格で偏微分したものである。ガンマはベガとは対照的に、原資産価格の短期的な変動に対する感応度を示す。
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