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オートコーラブル債(Autocallable Notes)とは
オートコーラブル(Autocallable)は株式（エクイティ）デリバティブでは一般的なエキゾチック（複雑な）商品であり、株価変動に応じてクーポンや元本償還が変化する仕組債に組み込まれていることが多い。また、そのような仕組債自体をオートコーラブルやオートコーラブル債(Autocallable Notes)と言うこともある。
オートコーラブル債の特徴は以下の通り。
- クーポンはデジタル型か固定型が多い。デジタル型はクーポンのFixing時点で株価がストライク（クーポン判定株価）を上回っていれば高クーポン、下回っていれば低クーポンになる。
- アップサイドにノックアウトバリアが付いており、株価がバリアまで上昇するとノックアウトする。つまり直後のクーポンと同時に額面で早期償還される。その後のクーポンはもらえない。
- ダウンサイドにノックインバリアが付いており、株価がバリアまで下落するとノックインする。つまり、その後ノックアウトせずに満期が到来すると、発行時から満期までの株価下落分だけ元本が削減されて償還される（例えば株価が半値になっていたら額面のうち半分しか元本が返ってこない）
ダウンサイドのバリアを株価が下回ると（ノックイン）、クーポンは引き続きもらえるが、満期の元本償還が株価に応じて変化する金額しかもらえない。この場合、株価はすでにかなり下がっているので、元本がかなり失われることになる。
投資家は株価のノックインプットオプションを証券会社に売っており、そのオプションプレミアムをクーポンに上乗せして受け取っている形だ。
証券会社からすると、ノックインプットを買っているため、ベガロング（ボラティリティに対する損益の感応度がプラス）のポジションになる。これをスクエア（相殺してゼロ）にするために、市場でオプションを売ってベガをショートする（オプションの売りは、ボラティリティに対する損益の感応度がマイナスになる）ことになる。
投資家としては、
- 株価が上下のバリアの間で推移してくれるとうれしい
- 高クーポンをもらうには、株価がクーポン判定株価より高くなってもらわないといけないので、株価が下がってもらっては困る
- しかし、株価が上がりすぎるとアップアウトバリアにヒットして（ノックアウト）、早期償還されてしまい、その後のクーポンがもらえない
- 一方、株価が下がると低クーポンしかもらえず、さらに下がった場合は（ノックイン）、ダウンサイドバリアにヒットして元本が大きく毀損してしまう
ということで、かなり限定的なケースでしか、高クーポンをもらい続けることはできないだろう。
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