配当カーブの構築⑵

フォワード株価の構成要素は、

・スポット株価
・割引金利
・配当
・レポレート
 
である。これらのうち、マーケットで直接クォートされているのはスポット株価だけである。
割引金利はスワップレート等からイールドカーブを生成しないといけない。
配当は、予想配当として取得できるのはかなり満期の短いグリッドのみであり、長いところは他のデータから逆算する必要があり、作り方は色々ある。
レポレートも、一部の株価指数を除いて取得できないため、他のデータから逆算する必要がある。
 
 
重要なこととしては、フォワード株価自体も、マーケットでクォートされていない。
為替の場合は為替スワップポイントのクォートから容易にフォワード為替が作れるが、株価の場合はそうではない。
 
こう見てくると、未知数が多すぎることに気づくだろう。金利は独立して別途生成できるが、フォワード株価、配当、レポレートは全て未知数で、互いに影響を与える。
 
実務では順番として、まずフォワード株価を作る。これはバニラオプション価格とプットコールパリティから逆算できるからだ。バニラオプション価格は例えばマークイットのトーテムから取得できる。
このインプライドフォワードを再現するように、配当やレポレートを逆算することになる。
 
次に配当を作る。日経平均などメジャーな指数であれば、配当先物や配当スワップがあるのでそこから生成できるが、個別株はどうするか。
個別株については、情報ベンダーから予想配当を購入することができる。
ここで問題になるのは、日経平均構成銘柄の個別株の配当と、日経平均の予想配当は、互いに矛盾しないように設定しないといけない、ということだ。
実際には、個別株の予想配当を積み上げても、日経平均の予想配当とは一致しないため、これらが一致するように掛け目を設定することで対応する。
 
最後にレポレートを作る。
既に設定した配当を所与にして、インプライドフォワードを再現するようにレポレートを逆算する。
配当がない銘柄であれば、配当をゼロにしてフォワードから直接逆算できる。
このようにレポレートは、フォワードに合わせるための調整項として用いられている。

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