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転換される株式の発行体の違い
社債の発行体と、転換時に受け取る株式の発行体が同じか、異なるか、の違いである。
- 転換社債は、転換された場合に受け取る株式の発行体は、社債の発行体と同じ。すなわちA社が発行した転換社債が転換されると、受け取るのはA社株式。
- EB債は、転換された場合に受け取る株式の発行体は、社債の発行体と異なる。すなわちA社が発行したEB債が満期に現物株で償還されると、受け取るのはA社とは異なるB社の株式。
転換社債の場合は、転換されると、転換社債の発行体が自ら新規株式を発行しないといけない。このため、エクイティファイナンス(株式発行)ができる会社でないといけないことになる。
一方、EB債の場合は、満期に現物株で償還する場合、自社が新規株式を発行する必要はなく、他社が過去に発行済みの株式を渡せばいいだけである。
オプションのポジションの違い
- 転換社債の場合、投資家は株式コールオプションの買いポジション
- EB債の場合、投資家は株式プットオプションの売りポジション
転換社債の場合、投資家はオプションを買っているが、購入時にオプション料を別途支払っているわけではない。なぜなら、その分だけ転換社債のクーポンが低く設定されているからだ。実際、転換社債はゼロクーポンのものが多い。
EB債の場合、投資家はオプションを売っているが、購入時にオプション料を別途受け取っているわけではない。なぜなら、その分だけEB債のクーポンが高く設定されているからだ。
参考文献
The Handbook of Hybrid Securities: Convertible Bonds, CoCo Bonds, and Bail-In (The Wiley Finance Series) by Jan De Spiegeleer Wim Schoutens Cynthia Van Hulle(2014-05-19) Handbook of Corporate Equity Derivatives and Equity Capital Markets (The Wiley Finance Series 607) (English Edition) デリバティブズ・ビジネスIあわせて読みたい
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