ASCOT

ASCOTとは、Asset Swapped Converible Option Transactionの略で、CBリパッケージと言及されることもあるようだ。ここで、CBはConvertible Bond、つまり転換社債の略だ。

これは発行済みの転換社債をアセットスワップによりリパッケージしたものなので、よくあるJGBリパッケージ債とかの、担保債券を転換社債にしたものに似ている。
しかし特に特徴的な点は、このリパッケージによって、転換社債のエクイティリスクとクレジットリスクが分解されて、証券会社を介して別々の投資家に売られる点である。転換社債を分解してエクイティ投資家とクレジット投資家にバラ売りするイメージだ。
 
取引の流れは以下の通り。
 
CBの保有者は、SPCにCBを担保債券として預ける。
SPCはこの担保債券に関するアセットスワップ取引を、証券会社と行う。つまり、証券会社は担保債券のクーポンを受け取り、Libor+スプレッドを支払う。CBはゼロクーポンのものが多いため、その場合、証券会社から見てこのスワップの時価はマイナスである。
 
加えて、証券会社はSPCから、このCBに対するオプションを買う。このCBオプションは、権利行使すると、アセットスワップ取引を早期終了し、その代わりにCBをSPCから受け取る。よって、CBオプションのストライクはアセットスワップの時価に対応する。
ここで、CBの時価には元本償還のキャッシュフローが含まれているため、通常のスワップ時価とは同じ物差しで比べることができない。そこで、スワップ時価にCBの元本を足したものをストライクとする。
さらに、このCBオプションはたいていアメリカンタイプであるため、決められた期間であればいつでも権利行使できる。よって、CB時価がストライクを超えると権利行使される可能性があるものの、すぐに権利行使するとは限らない。
 
証券会社はこのASCOTのプライシングについても、転換社債と同様、Monisというベンダーシステムを用いることが多い。このシステムは広く使用されているようで、CBオプションのプライシング設定を複数の方法から選べるようである。最もシンプルなのは、本源的価値のみを時価とするものであり、CBプライスがストライクを超えていれば、その差分が時価となり、超えていなければ時価はゼロとなる。
 
証券会社から見て、アセットスワップの時価にCBオプションの時価を足したものが、ASCOTの時価となる。

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