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FVAのファンディングスプレッド:3つの設定方法
ファンディングスプレッドの設定方法には大きく分けて3つある。
- 社内の仕切りレート(Fund Transfer Pricing ; FTPカーブ)から求める
- 社債など、自社独自の市場性資金調達レートから求める
- 市場平均スプレッドを推定して、それを用いる
第一の方法は、日本では仕切りレートなどと呼ばれるが、FTPカーブとも呼ばれている。
特に海外のフロントでのFVAプライシングではこれが最もよく使われている印象だ。
一方で、会計上はFTPカーブは使いにくい。なぜなら、会計では出口価格の概念に沿った設定が求められるからである。FTPカーブはあくまで自社独自のファンディングスプレッドであるため、それが市場平均であるとはいえない。
第二の方法は、自社の社債スプレッドから求める、というものである。
また、商業銀行の場合は預金金利、生保の場合は予定利率など、自社の実際のファンディング目線でスプレッドを決めよう、というものである。
これは考え方としてはあるのかもしれないが、実務で実際に採用されている例は少ない気がする。
第三の方法は、他の市場参加者が使っているスプレッドの、平均的な水準を用いる、というものである。
ではどのように推定するのか、というのが問題となるが、あまり選択肢がない。
エキゾチックデリバティブ価格の市場平均と同様、選択肢としてはMarkitのTotemサービスくらいしかない。
また、どの程度外れ値を除去するのか、などによっても値が変わってくる。
ファンディングスプレッドに期間構造を入れるか否か
ファンディングスプレッドには期間構造を持たせてもいいわけだが、実際には、使えるデータがあまりないから、という理由で期間構造なしでフラットにしているケースも多い。
その場合、第一の方法(FTPカーブ)や第二の方法(自社の調達カーブ)の方法では、フラットとするファンディングスプレッドを、どの満期のデータから求めればよいか、という問題がある。
あり得るのは、自社のデリバティブポートフォリオの平均的な残存期間を参照する、という方法である。
しかし実際には、早期償還や、Break条項の行使による早期解約などで、契約上の満期より短期化することが多い。そういった要因まで織り込んで残存期間を決めるのは、なかなか困難である。
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