ファンディング通貨をどう決めるか問題

ファンディングスプレッドを決める以前の問題で、ファンディング通貨をどうするかで質問されることもある。それは、邦銀の海外支店や、外銀の東京支店で無担保イールドカーブやFVAを考えるときである。

邦銀だから本部で円を調達し、それを通貨スワップで外貨に換えている場合は、海外支店も円ファンディングでいいのだろうか。
もしくは、海外支店は現地のマネーマーケットで独自にファンディングしているから、という場合は、現地通貨ファンディングになるのだろうか。
 
外銀の東京支店は、円ファンディングでいいのだろうか。
 
話題にあがるのは、現地法人の場合と、日本法人の海外支店の場合で、取り扱いが異なるのか、という点だ。現地法人だから円ではなくて現地通貨ファンディングだ、とか、海外支店とはいっても日本法人だから円ファンディングだ、というような話だ。
 
外銀の日本法人だと、やはり円ファンディングになっている印象だが、海外法人の東京支店の場合もそれでいいのか、という話も出てくる。
 
現地法人ごとにファンディング通貨を変えると、その数だけファンディングスプレッドを設定しないといけないが、はたして全ての現地法人について、現地通貨のファンディングスプレッドを市場ベースで観測できるのか、という問題もある。
 
現地法人や海外支店は、場所によってかなり営業規模が異なる。例えばニューヨークやロンドンは現地通貨でいいとしても、バンコク支店はどうするのか。エマージング市場だと、現地通貨よりもドルなのではないか、という話も出てくる。
 
基本的には実態の市場実勢に合わせればいいのだろうが、支店ごとにファンディングレートが異なると、最も利益が大きく出る支店を選んでブックする、ということも可能になるかもしれない。

—–