DVAとFBAの二重計上

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解説

DVAはデリバティブで借りている金額のうち、自社のデフォルトで平均的にいくら踏み倒せるか、を表す。

FVAはFCAとFBAに分かれて、FCAはファンディングコスト、FBAはファンディングベネフィットを表す。
デリバティブに負けポジションがあるときでも、無担保取引だと担保を差し出す必要がない。一方で、その裏でやっているヘッジ取引は有担保で勝ちポジションなので、担保を受け取る。これは担保の付利金利であるOISレートを付けて返せばいい。このOISという低金利で借りた金額は、無担保取引で担保を差し出す必要がないため、運用に回せる。これがファンディングベネフィットとなる。
 
ファンディングベネフィットの計算には、無担保貸出金利を用いるが、これは通常、無担保借入金利、いわゆるファンディングレートにスプレッドを乗せた形になっているため、無担保貸出金利にも自社のファンディングスプレッドが含まれる。そして自社のファンディングスプレッドには、自社のクレジットスプレッドが含まれる。これにより、DVAとの二重計上問題が生じる。
自社のファンディングスプレッドは、自社のクレジットスプレッドと、自社の流動性スプレッドの和になる。流動性スプレッドは、債券のスプレッドからCDSスプレッドを差し引くことで求める。
 
二重計上問題を避けるには、
DVAを計上しないで、FBAを計上するか、
DVAを計上して、FBAは自社のクレジットスプレッドの部分を除いた一部のみを計上するか、
2つのアプローチがある。
 
フロントでのプライシングにおいて、一般的なのは、前者であり、DVAは計上しない。しかしながら、国際会計基準IFRSでは、DVAの計上がマストになっており、フロントのプライシングとは相容れない。
 
一方、バーゼル3規制の資本計算では、DVAは考慮されない。このため、規制資本計算と整合的なのは前者の方法である。
 
つまり、プライシングCVAと規制CVAではDVAは計上せず、FBAに自社のクレジットスプレッドを含めて計上する。
一方、会計CVAでは、負債には自社のクレジットリスクを織り込む必要があるので、DVAを計上し、FBAからは自社のクレジットスプレッドから来る金額を除くことになる。

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