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参考文献
回答
アモチゼーションとは、金利スワップ、債券・ローンなどで、時間経過に従い元本が減少していくこと。英語ではAmortizationで、日本語では「アモチ」と略される。
アモチに関連する用語として「バルーン」がある。「バルーン付きアモチ」とは、初めは元本が規則的にアモチしていくが、最後に残った大きな金額を、まとめて一括返済することである。「バルーン返済」や「テールヘビー」とも呼ぶ。最後に残った大きな金額がバルーン(風船)のように見えるからだろう。
アキュムレーションはアモチの逆で、元本が増えていくこと。英語ではAccumulationよりもAccretionと言われることが多い。日本語では「アキュム」と略される。
これらに対して、アモチでもアキュムでもない、つまり元本が満期まで一定の場合をブレットと呼ぶことがある。元本が満期まで一定ということはつまり、途中で元本の分割返済(部分償還)が行われないということである。言い換えると満期一括返済である。また、コーラブルと呼ばれる早期償還の条項が付いていない場合をブレットと呼ぶこともある。
ローンや債券の返済との関係
ローンや債券では元本の一部を定期的に返済していくことがあり、アモチはその定期的な元本返済(分割返済、部分償還)のことである。元本が減るので、それをもとに計算するクーポンも減ることになる。
金利スワップにおいても、想定元本が定期的に減少していくものがあり、アモチ付きスワップなどと呼ばれることがある。これはたいてい、アモチ付きの債券やローンの変動金利を固定化する際に使う金利スワップによく見受けられる。金利リスクをヘッジしたい対象である債券やローンがアモチ付きなので、それにキャッシュフローを合わせるために、金利スワップもアモチ付きにするわけである。
アモチに比べるとアキュムのケースはかなり少ないが、ゼロクーポンスワップに紐付くスワップションなどでアキュムのケースを見かける。
アモチの種類
アモチの種類としては例えば以下のようなものがある。
・定額アモチ
・定率アモチ
・元利均等返済型
・イレギュラーアモチ
最も多いのは定額アモチである。これはつまり、元本が100で金利スワップが半年ごと利払いの10年であれば、キャッシュフローは20回であるから、元本が毎回5だけ減っていく。元本スケジュールとしては以下のようになる。
1回目の利払:元本100に対する金利
2回目の利払:元本95に対する金利
3回目の利払:元本90に対する金利
・・・
18回目の利払:元本15に対する金利
19回目の利払:元本10に対する金利
20回目の利払:元本5に対する金利
定額アモチは元本が線形に減っていくので線形アモチやリニアアモチと呼ばれることもある。
他にもアモチの種類はいくつもある。例えば定率アモチは、直近の元本に対して一定の比率をかけて元本減少額を求める。
元利均等返済型は、利息額と元本減少額の合計が、初回利払から最終利払まで一定になるように、アモチのスケジュールが組まれる。
イレギュラーアモチは、上記のいずれにも当てはまらず、元本が不規則に減少していくものである。
参考文献
スワップ取引のすべて(第5版) The Front Office Manual: The Definitive Guide to Trading, Structuring and Sales (Global Financial Markets) (English Edition)こちらもおすすめ
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