LCHが日本企業の円デリバ清算を目指して再始動
金融庁は日本企業の円建てデリバティブの清算をJSCCのみに規制しているが、LCHがこの規制を崩そうと動いているようだ。
LCH Japan plan signals new fight for global clearing model – Risk.net
LCHは海外企業(オフショア)の円建てデリバティブの清算において支配的な地位を占めている。しかし、金融庁の規制により、日本企業(オンショア)が円デリバを清算できるのはJSCCのみに限定されているため、LCHは日本企業の円デリバを清算できない。
この点についてグローバルでは日本の規制が悪名高く、批判もあるようだ。
LCHは最近になって、円デリバ清算ができるよう金融庁に対して働きかけを再開している。2016年にも同様の動きがあったが、しばらく中断していたようだ。
日本企業にとっては、ドル金利スワップなどの外貨デリバについて、すでにLCHでの清算も行っているので、円金利スワップなどの円デリバもLCHで清算できるようになると、対LCHで時価・リスクをネッティングできる取引範囲が広がることで証拠金を節約できるなどのベネフィットがある。しかしながら金融庁の態度が変わる可能性は低いとの見方が優勢である。
あわせて読みたい
Risk.net Updates: OTCドル担保金利のSOFR移行が遅れている | Quant College
CME公表のターム物SOFRレートとは【前決め金利】 | Quant College
LCH-JSCCベーシスの縮小 | Quant College
LCH-Eurexベーシスも縮小 | Quant College
TONAとTORFの違い5選【簡単にわかりやすく】 | Quant College
こちらもおすすめ
QuantLib-Pythonチュートリアル(スワップイールドカーブ編その3)をリリースしました。 | Quant College
【初心者向け】LIBOR廃止とRFR移行の体系的まとめ | Quant College
LIBOR廃止とRFR移行のまとめ(後編)をリリースしました。 | Quant College
【初心者向け】CVA入門の体系的まとめ | Quant College
【感想あり】金利デリバティブを独学するのにおすすめの本:9冊を難易度順に紹介【マルチカーブ/マイナス金利】 | Quant College