Vol virus: how a CCP basis leapt from swaps to swaptions
・LCHで清算されるスワップのスワップレートよりも、JSCCで清算されるスワップのスワップレートの方が低い、という状態(LCH-JSCCベーシス)が観測されている(最近は縮小してきているが)。
・このLCH-JSCCベーシスがついにスワップション市場にも波及し始めた。
・スワップション自体はまだ、LCHやJSCCなどの中央清算機関(CCP)で清算されていないのだが、
円スワップションは現物決済(フィジカルセトル)であるため、権利行使するとスワップ取引が発生し、
これはCCPで清算される。
・このスワップが清算されるCCPが、LCHなのかJSCCなのかによって、スワップの評価が異なるため、
円スワップションにもLCH-JSCCベーシスが発生するのは時間の問題と思われていた。
・日本銀行の金融政策が正常化していくのでは、という憶測により、外資系金融機関による円スワップのdirectionalな(円金利の動く方向に賭ける)トレードが活発となり、LCHの円スワップレートのボラティリティが、JSCCのそれと比べて上昇していた。
・スワップをLCHで清算する場合のオプションプレミアムと、JSCCで清算する場合のオプションプレミアムの差が、ベーシスポイント単位でクォートされる。
・JSCCで円スワップを清算している日本の金融機関は、JSCC円スワップを原資産とするペイヤーズスワップションを外資系金融機関に売り、
外資系金融機関はLCHでも円スワップを清算しているが、自分以外の外資系金融機関に対して、LCH円スワップを原資産とするペイヤーズスワップションを買うことでヘッジしている。
・これによってより一層、LCHスワップションの価格が上がり、JSCCスワップションの価格が下がることで、スワップションのLCH-JSCCベーシスの拡大につながっている。
・ところが、このベーシスを評価に反映すると損失を計上せざるをえないことから、一部のトレーダーからの反発があったことで、日本のブローカーである東短はこのベーシスのクォートを中止することとなった。
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