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ざっくり解説
ストラドル (Straddle) とは、同じ満期、同じ行使価格のコールオプションとプットオプションを1つずつ買うまたは売るオプション取引戦略である。
- コールとプットを1つずつ買うのがロングストラドル(ストラドルの買い)
- コールとプットを1つずつ売るのがショートストラドル(ストラドルの売り)
・コールは原資産価格が上がるとペイオフを受け取れる
・プットは原資産価格が下がるとペイオフを受け取れる
わけなので、どちらにいってもペイオフを受け取れることになる。
その代わり、コールとプットの両方のプレミアムを支払わないといけない。
よって、ストラドルの買いの場合、ペイオフの図はV字型になり、
・原資産価格があまり動かないと損失
・原資産価格が上下どちらでも大きく動くと利益
となる。
言い換えると、変動の大きさ、つまりボラティリティに賭ける戦略である。
上がっても下がっても、「大きく」動けば利益が出る。
逆に、ストラドルの売りの場合は、
原資産価格があまり動かなければ利益が出る。
例えば決算などのイベントが近い時期に、
オプション市場でクォートされているインプライドボラティリティが、
・低すぎるので、今後上昇すると思えばストラドルの買い
・高すぎるので、今後下落すると思えばストラドルの売り
アットザマネーストラドル(ATMストラドル)の価格
Black-Scholesモデルにおけるストラドルの価格は、アットザマネーの場合(厳密にはアットザマネーフォワードの場合)なら、以下のような簡単な近似式で求められる。
\( 0.8 S \sigma \sqrt{T} \)
\(S\) は原資産価格
\(\sigma\) はBlackインプライドボラティリティ
\(T\) はオプション満期
である。
係数0.8は、\( 2 \frac{1}{ \sqrt{2 \pi } } \) の近似である。
\( \frac{1}{ \sqrt{2 \pi } } \) は正規分布の密度関数から来ている。
それを2倍するのは、コールとプットが1つずつ、オプションが2つあるからだ。アットザマネーフォワード、つまり行使価格が原資産のフォワード価格に一致する場合は、プットコールパリティから、コールとプットの価格が等しくなる。
上記の近似式を使うと、マーケットのインプライドボラティリティからストラドルの価格をざっくり計算できる。
また、ストラドルの価格から、インプライドボラティリティをざっくり逆算できる。
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