ドル担保金利が来年にはSOFRに

市場ではいよいよライボー問題が本格的に議論され始めている。

日系金融であれば、おそらくまず問題になるのはドルの担保金利の変更だろう。CCPのドル担保金利がSOFRに切り替わると、ドル担保ディスカウントカーブの水準が少し変わってくる。
ドル担保ディスカウントカーブは、ドルライボーのプロジェクションカーブのインプットでもあるため、ドル変動金利の評価が変わってくる。
さらに、ドル担保円ディスカウントカーブもドルのカーブをインプットするので、ドル担保円ディスカウントファクターも変わってくる、
最終的には、ドルのカーブと、ドル担保円ディスカウントカーブをインプットして求める円担保ドルディスカウントカーブが変わってくる。
同じ話はユーロなどあらゆる外貨にも当てはまる。
つまり、ドル担保ユーロディスカウントカーブが変わってくることで、円担保ユーロディスカウントカーブも変化する。
つまり、あらゆる外貨の円担保ディスカウントカーブが変化するため、通貨スワップや外貨金利スワップを円担保でやっている邦銀はみな影響を受けるだろう。
具体的な影響としては、外銀を通してクライアントクリアリングで海外CCPにアクセスして清算する邦銀が多いので、外銀が割引金利を変更することで、邦銀のシステム時価の変化幅と、外銀が要求してくる担保金額がかなり乖離する恐れがある。
ディスピュートになるほどではないかもしれないが、FedFundsレートとSOFRの水準にはそれなりの開きがあるため、外銀から送られてくる時価がある程度変わってくるだろう。
外銀や大手日系証券とCSA契約を入れていると、ドル担保金利をSOFRに切り替えたい、と、これらデリバティブ業者が邦銀などに主張してくるかもしれない。
もちろん、そもそもドル担保でやっていないケースが多いはずだが、円担保であった場合も、担保契約上の金利は変わらないものの、上で述べたように、円担保の外貨割引金利が一斉に変化してしまうので、時価がデリバティブ業者と自社システムで全く合ってこないことになる。
外銀や大手日系証券がみんな新しいドル割引金利に変えたのに、それに対応していない会社は、ロジックが市場慣行から乖離していると言わざるを得ないだろう。

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