通貨スワップにも複雑なバージョンがある。
バニラな通貨スワップは以下の通り。
・クーポンはLiborレートか固定レートを交換する
・スポットと満期に元本交換があり、その元本キャッシュフローは固定されていて変動しない
満期の元本交換は、予約レートが当初のスポットレートに設定された為替フォワードと同じである。
それに対して、エキゾチックな通貨スワップの特徴は以下の3点。
⑴クーポンレートが為替レートに応じて変化する。よくあるのは、ストライクより円安だと高クーポン、円高だと低クーポンになるデジタル型である。
⑵満期の元本交換の予約レートが為替に依存して変化する。よくあるのは、プット型やレシオフォワード型であり、レシオフォワード型は、予約レートが当初のスポットレートやフォワードレートから離れた水準に設定されている。
⑶ノックアウトバリアが付いており、バリアにヒットするとそこで元本交換して終了する。商品によっては、そのときの予約レートが当初の予約レートとは異なる水準に設定されているものもある。
⑴から⑶のうち、全てが盛り込まれているとも限らない。例えば、
・クーポンはシンプルで、Liborレートと固定レートの交換だが、
・満期の元本交換がプットオプションになっており、
・ノックアウトバリアが付いている
というのも見かける。
⑴のデジタルクーポンは例えば、
・ドル円が100より円安なら3%、円高なら0.1%
といった感じだ。
⑵の元本償還について、
プット型は例えば、以下のような感じ。
・ドル円が90より円高なら、証券会社は円を受けてドルを払う
・円安なら、ペイオフなし(証券会社は円を受けて円を払う)
レシオフォワード型は例えば、以下のような感じ。
・ドル円が90より円高なら、証券会社はドル元本を当初の30%増しにして、円を受けてドルを払う
・円安なら、ドル元本は当初のままで、円を受けてドルを払う